e賃上げの流れ鮮明に
- 2014.03.14
- 情勢/経済
公明新聞:2014年3月14日(金)付
春闘ベア回答相次ぐ
公明提案の「政労使会議」が原動力
中小企業、非正規労働者への波及めざす
賃金引き上げの流れが鮮明になってきた。自公政権の経済政策が実を結び、景気回復への動きが活発化する中、2014年春闘では12日、大手製造業が賃上げを相次いで回答した。
大手自動車、電機メーカーの多くがベースアップ(ベア=賃金体系の底上げ)に踏み切るなど賃金抑制が前提とされてきた近年の春闘から大きく様変わりした格好だ。
自公政権がめざすデフレ(物価下落が続く状態)脱却や「経済の好循環」実現には、賃上げが不可欠。このため、今回の賃上げが個人消費を伸ばし、企業業績や給与のさらなるアップにつながるとの期待が高い。
また、「4月の消費増税による景気の腰折れを防ぎ、中小企業にも賃金の上昇を波及させて消費に勢いをつける第一歩になる」(13日付「日経」)。
今回の賃上げでは、政府と経済界、労働界の代表者による「政労使会議」が大きな役割を果たした。政労使会議は、公明党が賃上げに向け設置を要請していた機関。昨年9月に第1回会議を開き、第5回目となる昨年末には、賃上げに向けた合意文書を取りまとめた。本来、賃金交渉は労使間で行うが、「政労使が協力して一国の経済を反転させるための意思疎通ができた点は歓迎すべきだろう」(同日付「毎日」で法政大学大原社会問題研究所の金子良事兼任研究員)などと評価は高い。
今後の焦点は、賃上げの流れが雇用の約7割を占める中小企業や非正規労働者に波及するかだ。中小企業は、原材料価格や電力料金の上昇分を製品価格に転嫁できず、利益が出にくい。賃上げで従業員の努力に報いたいものの、ベア実施は「固定費が大きく増えるため、慎重にならざるを得ない」(全国中小企業団体中央会の鶴田欣也会長)のが実情だ。
一方、労働者の4割弱を占める非正規労働者の処遇改善が進まなければ、個人消費の伸びは望めない。
公明党は、政府に対し、今回の春闘の結果公表や賃上げを促す税制の利用促進などを求め、中小企業の賃上げを強力に後押ししていくとともに、非正規労働者の処遇改善に引き続き取り組んでいく。