e4月から消費税8% 社会保障改革を前へ <2>
- 2014.03.27
- 生活/生活情報
公明新聞:2014年3月27日(木)付
医療・介護の連携強化
年金受給資格 期間を短縮 保育の質・量も拡充
全ての世代を支援
消費税率の引き上げによる増収分の見込みは、2014年度で約5.1兆円。15年10月に10%へと引き上げられた場合は、約14兆円の確保が予想されています。全ての世代に支援が行き渡るように、増収分は全額、年金、医療、介護、子育ての社会保障4分野の充実と安定化に充てられます。
このうち年金については、増収分を活用することで、基礎年金の国庫負担割合が恒久的に2分の1となり、安定的な制度が確立します。また、今年4月からは、遺族基礎年金の支給対象が父子家庭にまで拡大。15年10月には、消費税率10%への引き上げを前提として、▽年金の受給資格期間を25年から10年に短縮▽低所得の老齢・障害・遺族基礎年金の受給者に新たな給付金を支給―などが実施される見通しです。
医療・介護の分野では、効率的で質の高い医療の提供体制を整備。重篤な症状に対応する「高度急性期病院」やリハビリテーションを担う「回復期病院」など、病床の役割分担を明確化し、医療機関同士の連携を密にすることで、早期の社会復帰や在宅復帰ができる体制をめざします。
また、高齢者が住み慣れた地域で医療や介護、住まい、生活支援などのサービスを一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の構築に向け、医療と介護の連携や認知症対策などを強化します。
医療・介護の保険料については、14年度中に国民健康保険や後期高齢者医療の保険料の軽減対象を拡大。医療費に関しても、15年1月から、1カ月の窓口負担を一定限度内に抑える高額療養費制度の所得区分を細分化して、低・中所得者層の負担を軽減します。
併せて、難病や小児慢性特定疾患の医療費助成の対象疾患を大幅に増やします。
一方、今回の改革では、消費税が新たに、少子化対策の財源として活用されることになりました。これを受け、15年度に本格施行される子ども・子育て支援新制度では、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ認定こども園の普及や、定員6~19人の小規模保育の整備など、幼児教育・保育の質と量の拡充が進められます。
さらに、13~17年度で新たに40万人分の保育の受け皿を確保する「待機児童解消加速化プラン」も、目標達成に向けた取り組みを促進させます。