e米議会に「日本議連」発足
- 2014.03.28
- 情勢/解説
公明新聞:2014年3月28日(金)付
両国関係深化の新基盤に
親日派と協働して諸課題の解決を
日本との友好促進を目的にした超党派の議員連盟(議連)が米国議会に発足し、連邦議会議事堂内で設立式典が今週開かれた。米政府がアジア重視の姿勢を打ち出す中で、日本を専門とする議連が誕生したことを歓迎したい。
発足した議連は「日本議連」(ジャパン・コーカス)と名付けられ、賛同者は共同議長を務める共和党のデビン・ニューネス氏と民主党のホアキン・カストロ氏の両下院議員らの若手を中心に、合計62人に上る大所帯だ。下院定数435人の1割を超す。
下院歳入委員会の貿易小委員長でもあるニューネス氏は設立式典において、環太平洋連携協定(TPP)交渉で日本を超党派で支援する意向を表明。カストロ氏は議連が「経済、安全保障などを含む日米の協力関係をより強固にする」と強調した。親日派の力で、沖縄県の米軍基地負担軽減策など幅広い問題が米国政界で一層議論されることを期待したい。
米議会では特定の政策を具体化する法律の制定に、議連が大きな役割を果たしている。韓国系の「コリア・コーカス」が、米韓自由貿易協定(FTA)の締結を推進したことは有名だ。米議会では長年、ダニエル・イノウエ元上院議員が親日派の重鎮として活躍してきたが、2012年に死去。日本の外交上の懸案や考え方を、米国側と迅速に共有できる新たな政治ルートの構築が急務になっていた。
議連設立に至った経緯の一つは、日本の経済成長が米国民の信頼を獲得している事実だ。カストロ氏が指摘したように、例えばテキサス州への国別の直接投資額で世界4位の日本は、同州で4000人を超す雇用を生んでいる。
米国の日本離れも指摘される中で、日本経済の回復が米国民の生活を好転させ、結果的に両国の結び付きを強化している。日米関係を深化させる意味でも、日本経済を着実に成長させねばならない。
日本を取り巻く環境は、時々刻々と変化している。オランダで日米韓首脳会談が開かれていたほぼ同時刻に、北朝鮮が中距離弾道ミサイル2発を日本海に向けて威嚇発射した。日朝平壌宣言や国連安保理決議に明確に違反しており、周辺地域の平和を脅かす行為をやめさせなければならない。
4月下旬にはオバマ大統領が来日し、世界が再び米国と日本の動向に注目する。日本議連の発足を、諸課題の解決や東アジアの平和と安定に向けた取り組みを強化する新しい基盤にしていきたい。