e帰還困難区域の現状探る
- 2014.03.31
- 情勢/社会
公明新聞:2014年3月31日(月)付
中間貯蔵施設 建設候補地で意見交換
大熊、双葉町で 党福島復興本部
公明党の東日本大震災福島県復興加速化本部(若松謙維議長=参院議員)は30日、帰還困難区域を抱える同県大熊町と双葉町を訪れ、除染に伴う汚染土などを保管する中間貯蔵施設の建設候補地を視察し、関係者と意見交換した。
同本部の若松議長、副議長の高木美智代衆院議員、荒木清寛参院議員ら衆参国会議員のほか、甚野源次郎、安部泰男の両福島県議らが参加した。
中間貯蔵施設の建設候補地について、国は大熊、双葉両町に楢葉町を加えた3町に建設の受け入れを要請していたが、27日に楢葉町を外した2町に集約する方針へと改めた。用地については、県などが求める借地契約は困難とし、国有化する考えを維持している。建設が受け入れられた場合、汚染土などの廃棄物を30年以内に県外で最終処分するよう法制化を進める考えだ。
大熊町の大川原地区を訪問した一行は、除染状況を確認するとともに、防犯・防火などの見回り活動に当たる役場職員OBらと懇談。「帰還困難区域でも放射線量が比較的低い地区があるため、帰還を望む町民が多い」との指摘が出る一方で、「除染の遅れなどで人口流出が進むことを恐れている」などの懸念の声も寄せられた。
その後、一行は、双葉町で中間貯蔵施設の建設候補地を視察。双葉町県中地区借上げ住宅自治会の高田秀文事務局長は、「用地が国有化されると、30年以内に県外で最終処分するという考えが変更されてしまうという不安を多くの町民が抱いている」と指摘。さらに、帰還を前提とした地域振興策の全体像などを速やかに検討するよう求めた。
その後、一行は、伊澤史朗・双葉町長、清水敏男・いわき市長のほか、観光業関係者らと相次いで懇談した。
中間貯蔵施設の建設に関連し、若松議長は「避難者の声も心境も複雑であり、懇切丁寧な意見交換を重ねていく必要がある。今後、党としても避難者のニーズ(要望)を把握し、粘り強く対応していきたい」と語っていた。