e再エネで福島の復興加速

  • 2014.04.21
  • 情勢/テクノロジー
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公明新聞:2014年4月21日(月)付



新技術の開発めざす
事業化を推進、人材育成も
郡山市に産総研の研究所がオープン



再生可能エネルギー(再エネ)を復興加速の原動力に―。独立行政法人・産業技術総合研究所(産総研)の「福島再生可能エネルギー研究所」が今月、福島県郡山市内にオープンした。同研究所は、再エネ技術の開発や事業化の推進などを通して、東日本大震災からの復興に貢献することが目的。19日には開所式が行われ、赤羽一嘉経済産業副大臣、浜田昌良復興副大臣(ともに公明党)が出席した。
赤羽、浜田氏が開所式に出席

「世界に開かれた再エネの研究開発の推進」「新しい産業の集積を通した復興への貢献」を使命に掲げる同研究所。約5.5ヘクタールの敷地には、研究棟や太陽光発電、風力発電などの設備が整備され、今後は再エネの大量導入・普及に向けた技術開発や実証実験などが進められる予定だ。人員は、研究職や事務職を含めて100人を超える。

研究に当たっては、被災地の企業や大学、海外研究機関などと連携し、素早い事業化につなげていく。併せて、人材育成にも取り組み、東京電力福島第1原発事故に遭った福島を「再エネ先駆けの地」として、国内外にアピールしていく。

主な研究テーマのうち、再エネの「ネットワーク開発・実証」では、太陽光・風力発電、蓄電池などをうまく組み合わせることで、電力自給率の高いネットワーク構築をめざす。

また、「水素キャリア製造・利用技術」では、再エネ電力で発生させた水素から、「水素キャリア」と呼ばれる液体状態の物質を製造し、利用する技術を開発する。これにより、自然条件による変動が大きい再エネ電力を、長期間かつ大量に貯蔵できるようにする。

このほか、▽風力発電の高効率化と騒音の低減▽1キロワット時当たり30~40円の太陽光発電コストを同10円に引き下げる技術の開発▽地熱の適正利用―などにも取り組む。

19日の開所式では、赤羽副大臣があいさつに立ち、11日に閣議決定したエネルギー基本計画でも、再エネ導入加速に関する記述を充実させたことなどに触れ、「政府を挙げて再エネを育てていく」と強調した。一方、浜田副大臣は式典終了後、「関係企業との連携・協力を通じて、研究所が復興再生の核になることを期待している」と語った。



公明、設置を強く推進


公明党は、同研究所を原発事故の反省を踏まえた再エネの新拠点と位置付け、福島再生の原動力とするために設置を強く推進。中でも赤羽氏は、担当副大臣として地元住民らへの説明などに取り組んできた。このほか公明党は、再エネ導入に関する政府の司令塔機能強化を目的として、11日に初会合が開かれた「再生可能エネルギー等関係閣僚会議」の創設にも尽力した。

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