eアレルギー基本法案が衆院通過

  • 2014.05.28
  • 情勢/社会
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公明新聞:2014年5月28日(水)付



"国民病"対策が前進
総合的な施策実施へ公明、粘り強く推進



衆院は27日午後の本会議で、ぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患対策を総合的に推進する「アレルギー疾患対策基本法案」を全会一致で可決し、参院に送付した。これにより、同法案は今国会中にも成立する見通しとなった。

この法案は、23日の衆院厚生労働委員会で自民、公明など6党が共同提案し、委員会提出の法案とすることを全会一致で決めたもの。昨年5月に自公両党が衆院に提出した法案とほぼ同じ内容だが、昨年以降の関連法改正などに伴う修正が一部加えられた。

アレルギー疾患は、国民の約半数がかかっているといわれる"国民病"だが、医療の提供体制に地域差があるなどの課題が指摘されている。また、2012年には東京都調布市で、食物アレルギーのある小学生が給食後に死亡する事故が発生し、社会問題となった。

このため法案では、国や地方自治体、医療・学校関係者などの責務を明確化し、総合的な施策による生活環境の改善や、全国どこでも適切な医療を受けられる体制づくりなどを基本理念に掲げた。

その上で、厚労相に対しては、対策の推進に関する基本指針の策定を義務付ける。策定に当たっては、患者や学識経験者など関係者で構成される「アレルギー疾患対策推進協議会」の意見を厚労相が聞くものとする。指針は5年ごとに見直す。都道府県については、対策の推進に関する計画を「策定できる」とした。

国が進めるべき基本的施策としては、▽専門医や、専門知識・技能を持つ保健師、栄養士などの育成▽学校の教職員などに対する研修機会の確保▽相談体制の整備▽予防や治療などの研究の推進▽大気汚染防止や森林の適正な整備など、省庁を超えた生活環境改善策―などを盛り込んだ。

これまで、アレルギー疾患対策に一貫して取り組んできた公明党は、10年5月に参院に基本法案を提出。11年8月には自民と共同で衆院に法案を提出した。いずれも国政選挙の影響で廃案となったが、昨年に法案を修正し、再度、自公で衆院に提出するなど、公明党は法案の成立をめざして粘り強く取り組んできた。

ポイント
○ 国などの責務を明確化
○ 厚労相が基本指針策定
○ 全国の医療体制を整備
○ 教職員の研修機会確保
○ 相談や治療研究も充実

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