e成長戦略 焦点の課題 Q&A

  • 2014.05.29
  • 情勢/社会
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公明新聞:2014年5月29日(木)付



農業改革
農協組織で見直し案
関係団体には不安や戸惑い



Q 政府の規制改革会議の農業ワーキング・グループ(WG)が取りまとめた農業改革案とは。


A 「農業改革に関する意見」と題し、今月14日の同WGの会合で公表されました。政府は6月に改定する成長戦略に反映させる考えですが、慎重な意見も多く、自民、公明の与党両党は議論を深めていく方針です。WG案では、農業委員会、農業生産法人、農業協同組合(農協)の見直しを柱として掲げています。



Q 具体的には、どんな内容ですか。


A 農地の売買などの許可権を持つ農業委員会の改革では、農業委員の選任を選挙制度から市町村長の選任制に一元化します。農業生産法人については、議決権を有する出資者の2分の1超は農業従事者と定め、2分の1未満は制限を設けないこととします。

農協は、全国農業協同組合中央会(JA全中)が各地の農協組織を指導する「中央会制度」の廃止や、生産者の農産物を集荷・販売する全国農業協同組合連合会(JA全農)の株式会社化を進めようとしています。中央会は、農業振興のシンクタンク(政策研究機関)などとして再出発を図るとしています。



Q なぜ、農業関係組織を見直すのですか。


A 日本の農業は、農業生産額の減少や農業従事者の高齢化進展、耕作放棄地の増加などの構造的な問題に直面しています。政府は農業改革として、こうした課題を克服し、魅力的で競争力のある農業をつくり、"成長産業化"の実現をめざすことにしています。規制改革会議の立場からは、意欲ある農家や新規参入者、企業などが積極的な事業展開を図っていけるよう、現在の規制や制度の見直しを進めるべきという提言が出されているのです。



Q 規制改革会議の提言に対する各団体の反応は。


A 23日の公明党農林水産部会の会合では、改革案に対して各団体から不安や戸惑いの声が相次ぎました。全国農業会議所は、農業委員会での選挙制度の廃止について、「農業・農村現場の実態を無視したもの」との見解を示しています。

また、JA全中の萬歳章会長は「極端な内容の提言で、現場の農家に不安が広がっている」と主張しています。JA全中は今年4月、農業・農村を取り巻く課題を踏まえ、食料自給力の向上による生産量拡大や、農家の所得最大化などを目標とする自主改革計画「JAグループ営農・経済革新プラン」を独自に発表しています。

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