e"森の防潮堤"普及へ
- 2014.06.05
- 情勢/気象
公明新聞:2014年6月5日(木)付
改正海岸法が成立 保全施設に位置付け
大規模地震による津波の被害を軽くするため、防災林と堤防を一体化した防潮堤の整備を進める改正海岸法が4日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。
同法では、防災林と堤防が一体となった防潮堤を「海岸保全施設」の一つに位置付け、地方自治体が整備する場合に国の補助対象になることを明確にした。防災林と堤防が一体となった防潮堤は、公明党が推進し、東日本大震災の被災地で植樹活動が展開されている"森の防潮堤"の考え方も反映されている。
この防潮堤は、盛土の上に植林することで基礎部分が強化され、倒壊しにくくなるのが特徴。さらに、防潮堤を越える高さの津波が来ても防災林が勢いを弱めて、内陸への到達時間を遅らせることができ、コンクリートの防潮堤に比べ、景観への影響を小さくできる。
このほか同法では、東日本大震災で水門の閉鎖作業に従事して津波で殉職した消防団員らが多かったことを受け、津波や高潮の際に身の安全を確保できる操作方法や訓練、操作規則の策定を自治体に義務付ける。また、海岸清掃など海岸管理に協力する団体を海岸協力団体として指定することも盛り込んだ。
公明党は国民の命を守るため、被災地での植樹活動を後押ししながら、"森の防潮堤"の考え方を政策に明確に位置付けることを強力に推進。昨年6月、宮城県岩沼市での"森の防潮堤"植樹式に参加した太田昭宏国土交通相(公明党)は、「これを第1号のモデルとして、"緑の防災・減災"のネットワークを全国に広げていきたい」と語っていた。