eポイント解説 公明党の成長戦略提言

  • 2014.06.09
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年6月8日(日)付



公明党は5月30日、政府が今月下旬に示す成長戦略への反映をめざし、党の成長戦略を提言。九つの柱のうち、女性と若者の活躍、魅力ある地方都市づくりについてポイントを解説します。



女性の活躍を支援


「加速化法」で登用推進
多様な働き方へ体制を整備 健康づくりも強化


一人一人の女性があらゆる立場で自身の力を存分に発揮し、女性ならではの柔軟な発想を生かしていける環境を整えることが、結果的に地域や日本の活性化へと結び付きます。

このため成長戦略では、「女性活躍推進加速化法」の制定を提唱。「2020年までに指導的地位での女性の割合を30%に引き上げる」との政府目標達成に向け、女性の登用を総合的・集中的に推進するよう訴えています。併せて、女性の技能労働者、技術者、研究者の育成・活躍支援も促しています。

また、女性の活躍には、育児・介護と仕事の両立支援が欠かせません。そこで成長戦略では、育児・介護休業制度や短時間勤務制度、男性の家事・育児参加を積極的に支援する企業に対して、助成や税制優遇措置を大幅に拡充するよう提案。「学童待機児童解消加速化プラン」(仮称)の策定や、働き方による男女賃金の格差是正も要望しました。

さらに、多様な働き方を推進するため、▽学び直しや職場復帰への支援▽情報通信技術を使って時間・場所に関係なく働ける在宅テレワークの環境整備▽子育てなどで離職した女性の再就職支援―などを掲げました。

一方、女性の活躍の基盤となる健康づくりに関しては、「女性の健康包括的支援法」を制定し、性差医療の研究拠点創設や相談体制の強化などを推進するよう要請。女性特有のがん検診の無料クーポン配布事業とコール・リコール(個別受診勧奨)事業の恒久化や、産後ケアの充実なども求めています。

このほか、営利・非営利を問わない多様な起業支援についても、抜本的に拡充するよう主張しています。



若者が輝く社会に

雇用促進へ新法を制定
"現場の声"もとに政策立案

党の成長戦略には、「若者が生き生きと活躍できる社会を築く」とのコンセプト(基本的な考え方)のもと、党青年委員会(石川博崇委員長=参院議員)が現場で受け止めた声を若者政策として練り上げ、さまざまな対策を提案しています。

人口減少や国際競争力の低下などの諸課題が山積する日本の未来を開くためには若者の活躍が欠かせません。そこで、今回の成長戦略では「若者の雇用促進に関する法律」の制定が大きな柱となっています。就職支援や企業の雇用管理改善などの対応策の強化に当たっては、国、地方自治体、企業などが密に連携して総合的に取り組む必要があります。若者の雇用対策の基本になる法的な枠組みを整備することで国、地方自治体、企業などが、それぞれの果たすべき役割や責任が明確になり、安定的な支援策の推進が期待されます。

また、公明党は、若者が納得感を持って主体的に職業を選択できる環境の整備が重要と考えています。そのため、企業による雇用情報の提供体制を拡充するなど、若者と企業のマッチング(求人と求職の適合)にさらに力を入れます。新商品・サービスの提供をめざす、意欲ある若者に対する創業・起業支援も推進します。

一方、「ブラック企業」に対しては厳しい監督指導を実施するとともに、相談体制・情報発信の充実強化を訴えています。フリーターやニート支援の抜本的な強化をはじめ、非正規雇用者の処遇改善や正規雇用への移行促進策も盛り込んでいます。

このほか、海外で活躍できる人材の育成、意欲のある若者が家庭の経済状況にかかわらずに学べる環境づくりにも全力を挙げます。



魅力ある地方都市へ

「人の流れ」の転換めざす
仕事確保し地方への定住促進

自公政権の経済政策で株価は上昇し、東京を中心とした首都圏の経済は回復しつつあるとの見方がありますが、地方圏にはまだその効果が十分波及していません。

有識者らでつくる日本創成会議は先月、地方都市の中には将来、消滅の可能性もあるというショッキングな内容の推計を発表。そこで公明党は、疲弊していく地方の実態を見過ごさず、成長戦略の柱に「魅力ある地方都市づくり」を打ち出しました。

魅力ある地方都市を構築するには、まず若者の仕事を確保して収入アップを図る必要があります。また、Uターン、Iターンの就職活動を積極的に支援し、地方都市への定住を促進するとともに、都市部への人の流出を防がなければなりません。一方、高齢者に対しても相続手続きの支援などを通し、地方への住み替えを可能とする仕組みの導入を提案するなど、大都市圏に一極集中していた人の流れの転換をめざしています。

また、首都圏、中京圏、近畿圏の三大都市圏と並んで、地域経済をリードする「地方中枢拠点都市」を各地に指定し、大胆な財政措置で新たな地方圏の創造を提案。各圏域で産業・雇用、住宅、子育て支援などに総合的に取り組むための地域総合戦略を策定するよう訴えています。

さらに、新たな地方圏内の各自治体で、産・学・官と金融が連携して地域経済再生のために、地方都市の生活基盤の整備を主張。生活サービスなどを支える商店や診療所などの施設が集約された「小さな拠点」の形成を推進し、高齢者や子育て世帯にとっても魅力ある街づくりを進めるよう求めています。

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