e消費者の暮らしに安心
- 2014.06.13
- 情勢/社会
公明新聞:2014年6月13日(金)付
公明推進で法改正
景品表示法 食品不当表示 監視を強化
各地のレストランなどで、食材の不当表示が次々と明らかとなった問題を受け、監視体制を強化することなどを柱とする改正景品表示法が、6日の参院本会議で可決、成立した。年内に施行される予定。
この問題は昨年、全国のホテルや百貨店、レストランなどで、メニュー表示と異なる食材を使用して料理を提供していた問題が相次いで発覚。「日本の食」に対する国内外の信頼が、大きく揺らぎかねない事態を招いた。
改正法では、これまで消費者庁に限られていた立ち入り検査を、農林水産省や経済産業省など関係省庁も実施できるようにした。また、消費者を誤解させる表示を行った事業者に対して、行政処分を科す権限を都道府県知事に付与【図参照】。事業者にも不当表示の防止へ体制整備を義務付けるなど、規制を強化した。
さらに、違反した事業者に課徴金を課す制度の導入については、既に内閣府の消費者委員会が対象や徴収額などを議論しており、消費者庁は早ければ今秋の臨時国会に、再改正案を提出する方針だ。
消費者安全法 悪質商法から高齢者守る
一方、6日の参院本会議では、高齢者らを悪質商法から守るための改正消費者安全法も成立した。高齢者からの消費生活相談は、年間約20万件(2012年度)にも上り、高齢者人口の伸び以上に増加している。
高齢者の消費者被害の背景には、社会的孤立や認知力の低下、生活の困窮などが考えられることから、警察や病院などで構成する「地域協議会」を設置し、悪質業者の被害に遭いやすい高齢者らの情報を、消費者庁や自治体に提供できるようにし、地域の見守り体制を強化する。その際は個人情報を扱うため、秘密保守義務を課す。
このほか改正法では、消費生活相談体制の強化や相談員の確保と資質向上なども盛り込んだ。
食品の不当表示問題について公明党は、昨年11月に政府に対し、不当表示の監視・管理体制強化や、関係業界に分かりやすい表示ガイドライン(指針)を策定することなどを提言。
改正消費者安全法についても、衆参両院の国会議員が質疑を通して、高齢者の被害防止へ情報通信機器の積極活用や、地域での多様な職種による見守り体制の構築などを訴えていた。