e新成長戦略 公明党の提言(6)
- 2014.06.16
- 情勢/テクノロジー
公明新聞:2014年6月14日(土)付
科学技術、宇宙・海洋開発
産業界と大学を橋渡し
福島再生へ ロボット・再エネを推進
党科学技術委員長 伊藤渉衆院議員に聞く
■成長戦略ポイント(科学技術、宇宙・海洋開発)
・研究開発法人の機能強化
・大学発ベンチャー創業への橋渡し
・福島・国際研究産業都市構想の推進
・防災・安全保障、産業基盤などの向上に資する宇宙システムの整備
・メタンハイドレートの開発促進
―科学技術に力を注ぐ意義は。
伊藤渉・党科学技術委員長 これまで自公政権は、財政出動や金融緩和で経済を下支えしてきましたが、民需主導の経済成長を本格化させるには、宇宙・海洋開発を含む科学技術イノベーション(革新)が不可欠です。このため公明党は、科学技術政策の司令塔機能を強化すべきと訴え続けてきました。その結果、政府は5月、内閣府にある「総合科学技術会議」を「総合科学技術・イノベーション会議」と改組し、体制を充実。日本を代表する研究者や産業界の代表らが集まり、一体感を持って科学技術の開発を進めるべく、将来の方向性を議論しています。
―公明党の提案のポイントは。
伊藤 産業界と大学等を結び付ける研究開発法人の機能強化を盛り込みました。大学などで生み出される研究成果を産業化へと橋渡しする取り組みを強化します。併せて、大学発のベンチャー創業の後押しも訴えています。これまで、技術の「種」が実用化され「産業」に至るまでが、うまくつながっていませんでした。市場の視点も生かし、「種」が実を結ぶ段階まで一貫して支援すべきです。
―福島の再生も掲げています。
伊藤 東京電力福島第1原発の廃炉を円滑に進めるロボット技術の開発に期待と注目が集まっています。また、最先端の放射性物質に関する研究や、再生可能エネルギーの開発も同時に進めなくてはなりません。そのため、福島県に国際研究産業拠点を整備し、未来の新技術・新産業を創出するよう提言しています。
―宇宙分野については。
伊藤 日本版GPS(衛星利用測位システム)の実現を強力に後押しします。GPSは、今や生活に欠かせませんが、米国に大きく頼っているのが現状です。独自技術の確立は、生活や防災に加え、安全保障の面でも重要です。現在、山やビルなどの影響を受けずに高精度な衛星測位サービスの提供が可能な「準天頂衛星システム」の4機体制整備へ向けた取り組みが進んでいますが、持続的な測位を可能にする7機体制への拡大を訴えています。
―海洋資源の開発も大切な視点ですね。
伊藤 その通りです。公明党は、海底に眠る新たなエネルギー資源物質である「メタンハイドレート」の商業化に向けた技術開発を推進しています。資源の乏しい日本で国産エネルギーの活用を実現させます。
今後も公明党は、生活の質向上や、経済成長のエンジン役となる科学技術の開発強化へ全力を挙げます。