e教育委改革の改正法成立
- 2014.06.16
- 情勢/社会
公明新聞:2014年6月15日(日)付
教育の政治的中立を確保。
いじめ、体罰などに対応
地方自治体の教育委員会制度改革を行う改正地方教育行政法が、13日の参院本会議で自民、公明の与党両党などの賛成多数で可決、成立しました。
今回の改正は、教育委員会をこれまで通り政治的に中立な合議制の執行機関と位置付けた上で、教育行政の責任を明確化し、いじめや体罰など教育現場の課題に迅速に対応することが狙いです。具体的には、現行の教育長と教育委員長を一元化した新たな「教育長」を設置します。首長が議会の同意を得て任免することで、これまで曖昧だった教育行政の責任を明確にします。一方で、教育委員会の会合開催要求を教育委員もできるようにするなど、責任と権限が増す教育長へのチェック機能も強化しています。
また、教育委員会と自治体の首長が意思疎通を図り、より円滑に教育行政を進めるために話し合う「総合教育会議」を設置します。会議では、双方の権限を尊重した上で、調整が必要な学校の耐震化などの予算や条例に関わる事項を話し合い、児童・生徒の身体や生命に関わる緊急事態にも対応します。なお、教科書採択や教職員人事など教育委員会の専権事項は、調整の対象にはなりません。
公明党は、いじめ問題などが深刻化し、教育行政の責任の不明確さや危機管理上の課題などが浮き彫りになる中、「抜本的な見直しが必要だ」として改革を訴えてきました。一方、「教育は政治などあらゆる権力から一定の距離を置くのが大原則」との視点から、「改革をする上で、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しなくてはならない」と、教育への政治介入を防止するための主張を続けました。
このほか改正法の国会議論では、教育委員会活性化、教育委員の人選の工夫、地域住民を巻き込んだ教育行政の推進などの必要性を訴えました。