e新成長戦略 公明党の提言(8)
- 2014.06.17
- 情勢/社会
公明新聞:2014年6月17日(火)付
健康・医療
先進技術で世界貢献
生活習慣病、認知症予防も
党厚生労働副部会長 輿水恵一衆院議員に聞く
成長戦略ポイント(健康・医療)
○研究の実用化や医薬品の迅速審査を推進
○優れた医療システムの構築で世界に貢献
○レセプトデータ活用で生活習慣病を予防
○安価なロボット介護機器などの開発促進
○国を挙げた総合的な認知症対策の実施
―健康・医療分野を成長戦略に掲げた意義は。
輿水恵一・党厚生労働副部会長 資源の少ない日本にとって、高い付加価値を生み出す医薬品・医療機器などの健康・医療産業の育成と海外市場への展開は、国を挙げて取り組むべき課題です。
また、国内では今後、少子高齢化や人口減少が進み、構造的・慢性的な人手不足の時代に入っていきます。その中で日本が成長していくには、女性や高齢者を含めた全国民が、職場や地域で活躍できる環境の整備が必要であり、その基盤となる一人一人の健康づくりは、さらに重要になると考えられます。
―現在の課題は。
輿水 世界の健康・医療関連市場の規模は500兆円を超えるといわれますが、日本は現在、医薬品・医療機器を合わせて約4兆円の輸入超過となっています。
これまで日本は、優れた技術を持ちながら、ビジネス面では海外に後れを取っていました。このため提言では、再生医療など革新的な技術の実用化を推進する司令塔機能の充実や、有効で安全な医薬品・医療機器を迅速に審査する体制の強化を訴えています。
―公明党がめざす方向性は。
輿水 先進的な健康・医療管理システムの構築で国民の健康を増進し、さらに、この分野で世界に貢献することをめざしています。
具体的には、レセプト(診療報酬明細書)データを活用した生活習慣病予防や、電子カルテ・電子処方せんによる質の高い健康管理を推進します。その上で、日本で確立した医療サービスや医薬品・医療機器、介護システムをパッケージで新興国などに輸出し、世界の健康増進に役立てたいと考えています。
―住み慣れた地域で医療や介護などのサービスを一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の構築も提言に盛り込まれましたが、ポイントは。
輿水 例えば、認知症対策を国家戦略として総合的に推進し、早期発見・早期治療を進めるよう強調しました。こうした取り組みにより、元気な高齢者を増やし、家族の介護負担も減らしていきます。併せて、健康増進や介護予防に取り組む個人への優遇策なども提案しました。
―今後の取り組みは。
輿水 世界に貢献する健康・医療産業の展開に向け、研究から実用化まで企画・管理ができる総合的な能力を有する人材育成などに力を入れます。また、公明党のネットワークの力を生かし、各地の健康増進などの先進的な取り組みを全国で共有していきます。