e「地域包括ケア」を前進

  • 2014.06.19
  • 情勢/社会
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公明新聞:2014年6月19日(木)付



医療・介護総合法成立
手厚い在宅サービスめざす



在宅で医療と介護のサービスが受けられる環境を整え、両サービスの連携を促進する医療・介護総合確保推進法が、18日の参院本会議で自民、公明の与党両党の賛成多数で可決、成立した。

同法は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、地域において効率的で質の高い医療・介護の提供体制を構築するために、医療法や介護保険法などの関連法を見直した。

具体的には、高齢者が住み慣れた地域で医療・介護、生活支援サービスなどを一体で受けられる「地域包括ケアシステム」の構築を掲げ、病気を発症して間もない時期から在宅医療・介護まで、一連のサービスを地域で総合的に確保する。

また、効率的で質の高い医療を確保するために、重症患者を受け入れる「急性期病床」や、病状が落ち着いた「慢性期病床」など、病床の機能分化を推進。さらに、在宅医療の充実など医療提供体制の整備に向け、消費税率引き上げによる増収分を活用して都道府県に新たな基金を設置する。

このほか医療分野では、医療死亡事故が発生した場合に、第三者機関への届け出と原因究明のための院内調査を、全ての医療機関に義務付けた。

一方、介護分野では、17年度末までに要支援1、2の一部サービスを、市町村が取り組む地域支援事業に移し、従来は行えなかった多様な支援を可能とした。また、15年4月から特別養護老人ホームの新規入所者を、原則、要介護3以上と重点化(要介護1、2でも入所可能)。さらに、年金収入が280万円以上ある人の介護保険の自己負担を、同年8月以降、現行の1割から2割に引き上げるが、低所得者の保険料軽減を拡充するなど経済力に応じた負担を求めた。
公明、各地の実情探り現場に即した政策提言へ

医療・介護総合確保推進法の成立で、高齢者を病院中心から地域で支える「地域包括ケアシステム」の構築が前進する。

だが、都市部と山間部・農漁村部では、交通網や医療・介護施設の整備状況、人的資源など抱えている課題は大きく異なる。そこで公明党は、迫る超高齢社会に向けて、同システムの構築を最重要課題と位置付け、昨年12月には桝屋敬悟衆院議員を本部長とする推進本部を設置。「『福祉の党』として、使命感を持って地域包括ケアシステムの構築に取り組む」(桝屋本部長)ことになった。

推進本部は1月の群馬県を皮切りに、岩手、茨城、鹿児島、三重の各県で先進事例を調査するとともに、地域の実情に即したシステム構築こそ、公明党の"主戦場"であるとして、地方議員を交えた意見交換会も活発に行っている。

これらの活動を踏まえた政策提言を、近く政府に行う方針だ。

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