e胃がんなくそう!
- 2014.07.08
- 政治/大阪
公明新聞:2014年7月8日(火)付
ピロリ菌対策事業スタート 大阪・高槻市
検査から治療まで無料に
中学2年生が対象
胃がんの主な原因とされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)を早期発見・治療しようと、大阪府高槻市は6月から、市内在住の中学2年生を対象とした「ピロリ菌対策事業」をスタートさせた。同事業は、ピロリ菌抗体の有無を調べる尿検査から治療まで、全てが無料で受けられるもの。これは、全国的にも珍しく、注目を集めている。
公明が一貫して推進
胃粘膜に炎症を引き起こすピロリ菌は胃がんの最大の原因とされている。胃酸の分泌が十分でない子どものころ、井戸水を飲むなどして感染する人が多い。上下水道が整備された時代に育った世代は井戸水を飲む機会は少ないが、乳幼児期に親から経口感染するケースが多いという。ピロリ菌に感染すると、成人になっても菌が胃の粘膜にとどまり続ける。
そこで市は、ピロリ菌を早期発見して治療することで胃がんのリスクを防ごうと、同事業に乗り出した。
計画によると、治療による体への影響が問題ないとされる中学2年生(約3200人)を対象とし、ピロリ菌の感染を調べ、感染が確認されれば、除菌できるまでサポートする。
市は、事業委託している企業を通じ、ピロリ菌の抗体の有無を調べる尿検査キットを市内の全市立中学校に配布しており、現在、回収作業を進めている。また、私立中学校などに通う生徒については、既に市への検査受け付けは終了している。市は現在、生徒からのキットの提出を待って、市立中学校の生徒と同じく7月下旬までに、本人に検査結果を通知する。
その上で、陽性反応が出た生徒には、2次検査としてピロリ菌の呼気検査を実施。再度感染の可能性が指摘された場合、投薬による治療を開始する。しばらくして再び、確認検査を行い、除菌できていない生徒には、2、3次と治療を行い、「完全な除菌をめざす」(市健康づくり推進課)という。
一方、同事業には、生徒への検査・治療のほか、一般の市民に対しては、30歳から60歳まで5歳刻みでピロリ菌の抗体を調べる血液検査が盛り込まれ、500円の自己負担で受診できるようになっている。
市議会公明党(吉田章浩幹事長)は、2013年6月の定例会本会議でピロリ菌の除菌によって胃がんになる可能性が大幅に減ることを指摘し、「予防医療に力を入れるべきだ」と主張するなど、一貫して胃がん対策を推進してきた。