e改正生活保護法1日から施行

  • 2014.07.14
  • 情勢/社会
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公明新聞:2014年7月12日(土)付



不正受給防止へ罰則を厳格化
就労自立給付金を創設



全国で生活保護を受けている人は、4月時点で約216万人となり、前月から約1万人減少しました。毎年4月は、進学や就職などで受給者が減少する傾向にありますが、雇用情勢の改善や景気回復による影響もみられています。

ただ、3月は受給者数、世帯数ともに過去最多を記録。特に、2008年秋のリーマン・ショック以降、失業が若年層にも広がり、働ける現役世代の受給者が急増してきました。このため、働ける年齢層への自立支援の強化が求められています。

7月1日から施行となった改正生活保護法は、これまで手薄だった現役世代に向けた自立支援の後押しや不正受給者対策の強化が狙いです。生活保護法が1950年に制定されて以来、初の本格的な改正です。

今回の改正による自立支援策の目玉は「就労自立給付金制度」の創設です。保護期間中に働いて得た賃金の一定割合を仮想的に積み立て、安定した仕事に就いて生活保護から抜け出した時に、給付金(単身世帯は10万円、多人数世帯は15万円が上限)として支給します。これまでは、受給者が働いて収入を得た場合、生活保護費を減額されるため、勤労意欲を削いでいるという声が上がっていました。

また、就職してせっかく自立しても、税金や保険料などが負担となり、再び生活保護に頼らざるを得ない状況に陥る人もいます。給付金は、生活が軌道に乗るまでの支えとなることが期待されています。

今回の改正では後を絶たない不正受給対策も強化されました。具体的には、不正行為を抑制する罰則の厳格化です。自治体が、不正受給額に上乗せして返還を求めることもできるようにしました。


公明が推進

公明党は、就労自立給付金について、「就労のインセンティブ(誘因)というものが強化される。生活保護から早期脱却するためには就労対策が非常に重要だ」などとの国会質問を重ね、生活困窮者の自立支援の必要性を訴えてきました。生活保護に至る前段階にある生活困窮者などを対象にした自治体への相談窓口の設置を義務付けた「生活困窮者自立支援法」(来年4月施行)と合わせて、今後も、重層的なセーフティーネットの構築を進めます。

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