e結党50年へ躍動 党幹部座談会《1》
- 2014.07.18
- 情勢/社会
公明新聞:2014年7月18日(金)付
憲法の平和主義を堅持
国民の命と暮らし、安全守る
あくまでも自国防衛に限定
11月17日の結党50年まで、あと4カ月―。その意義深き日をめざし、公明党は「議員力アップ」をはじめ、党の揺るぎない基盤づくりの総仕上げに全力を挙げている。当面する重要政策課題への対応、来春の統一地方選に向けた党勢拡大の取り組みについて、党幹部が語り合った。
山口那津男代表 結党50年の節目まで、あと4カ月。結党50年を迎えられるのは、何よりも公明党に夢や希望を託し、支援し続けてくださった支持者の皆さまのおかげだ。その期待に応えるため、新たな時代を切り開く決意で、地域の中に飛び込み、動き語り抜いていこう。
井上義久幹事長 今、日本は内政的には人口減少社会の中で、社会保障制度をどう拡充していくかが最大の課題だろう。外交・安全保障では、激動する国際情勢の中で国民の生命、安全をどう守っていくかだ。それに応えたのが、安全保障法制の整備に関する与党協議であり、今月1日の閣議決定だったのではないか。
議論通じ歯止めの効いた閣議決定に
北側一雄副代表 国民を守るために万全の備えは必要不可欠だ。それが憲法第9条に表された平和主義の枠内で、どこまで可能なのか、自民、公明の与党協議では、この命題を突き詰めて議論した。その結果、平和主義を堅持できたのは、公明党が与党にいるからだと確信している。憲法上許される必要な安全保障の対処が可能となった。
山口 これまでも公明党は、国際情勢の変化を現実的にとらえながら、外交・安全保障に関する議論をリードしてきた。そして今、結党50年という節目に責任ある結論を導くことができたのは、今後も公明党が日本政治の中で憲法の平和主義を堅持し、実現していく役割があるからだと強く感じる。
石井啓一政務調査会長 熊本県立大学の五百旗頭真理事長は、「戦後日本の伝統である平和重視を体して、政府が不用意に跳躍するのをチェックしつつ、難しくなった安全保障環境に日本が堅実に対処するようリードした」と、野党のチェックが働かない政治状況下で、公明党が賢明に対応したことを評価している。
井上 与党協議は11回、公明党の党内論議は15回に及んだ。同志社大学の村田晃嗣教授は「公明党が与党の中で慎重な態度を取ったことで、手続きの面でも中身の面でも、議論をより緻密かつ慎重に進めることができた」「今回のプロセスはわが国にとって良い経験になった」と述べている。世論に賛否両論はあるが、公明党が真正面から取り組んだことで国民の議論を喚起した面もある。
西田実仁参院幹事長 われわれは与党協議で、毎回2時間以上にわたる党内論議、地元の地方議員や党員、支持者の皆さまの声も踏まえて、緻密な議論をした。だからこそ、従来の憲法解釈と整合性のある、歯止めの効いた閣議決定ができたのではないか。
山口 まったく、その通りだ。マスコミ報道は「集団的自衛権」という言葉にこだわり過ぎている。閣議決定は、他国防衛のための集団的自衛権の行使を認めていない。わが国の武力行使は、あくまでも自国防衛に限った措置だということが最重要だ。
北側 その点を含め、14、15日の衆参予算委員会で明確に確認したところだ。"憲法の番人"である内閣法制局長官は「わが国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置に限られ、他国に対する武力攻撃の排除それ自体を目的とするものではない」と明快に答えている。
西田 「丸ごとの集団的自衛権を認めたものではない」とも明言した。今回の閣議決定を指して、「集団的自衛権の行使容認」という言葉で表現するのは正確でないし、あまりに安易すぎる。
北側 自衛権行使の新3要件にも、時の政府が恣意的に、勝手に判断できるのではないかという批判がある。だが、第一要件の「明白な危険がある場合」について、内閣法制局長官は「単なる主観的な判断や推測などではなく、客観的かつ合理的に疑いなく認められるというもの」との見解を示した。要するに、政府の恣意的な判断が入る余地はないということだ。
「人間の安全保障」を柱に公明リード
井上 いずれにしても、閣議決定は今後の安全保障政策の方向性を示した重要な決定だ。今後、法整備を進めていくことになるが、与党として国民にご理解いただけるよう説明責任を尽くさなければならない。また政府にも強く求めていきたい。
石井 閣議決定には公明党の主張を反映し、力強い外交の推進による脅威の未然防止、紛争の平和的解決の努力も盛り込まれた。公明党としても、9月の党全国大会の前に、東アジアの安定と平和、「人間の安全保障」の推進などを柱とした、外交・安全保障のビジョンを示したいと考えている。
山口 国家安全保障という枠組みを越え、人間一人一人に光を当てた「人間の安全保障」を中心に据えた視点から再構築したい。人道的な競争や環境との調和、貧困の撲滅、防災・減災などを含め、「平和の党」公明党が国際社会の平和を積極的にリードしようではないか。