e結党50年へ躍動 党幹部座談会《2》
- 2014.07.22
- 情勢/社会
公明新聞:2014年7月19日(土)付
経済再生、復興が最優先課題
成長戦略の柱は女性、若者
震災の風化、風評と闘い続ける
斉藤鉄夫幹事長代行 安全保障の議論ばかりが目立っているが、国政の課題は安全保障に限らない。あらゆる分野の課題を一つ一つ着実に解決していく。与党・公明党の責任は重いものがある。
山口那津男代表 一昨年末に自民党と結んだ連立政権合意で確認した通り、東日本大震災からの復興加速と経済再生、社会保障と税の一体改革に優先課題として取り組む。この方針は、今後もまったく変わらない。
住宅再建、まちづくりを早急に
井上義久幹事長 発災から3年4カ月が過ぎたが、被災地の復興への道のりは依然、険しい。避難生活を余儀なくされている方々は、いまだに25万人以上だ。すべての被災者が、日常生活を取り戻すためには、住宅再建や、まちづくりを早急に進めなくてはならない。生活再建には、被災者の雇用を生む地域産業の振興が必要だ。
斉藤 そのために、公明党は被災地担当の国会議員の体制を強化した。東京電力福島第1原発事故による被害が深刻な福島県では、双葉郡8町村などにきめ細かく担当国会議員を配置し、どこまでも被災者に寄り添い、復興を加速させている。「風評」とも闘い抜く。
井上 震災の「風化」との闘いも続く。この点、公明新聞制作の巡回写真展「『人間の復興』へ」に各地で共感の輪が広がっている。鑑賞してくださった方からは「一枚一枚のパネルから『人間の復興』への思いがにじみ出ており、率直に共感できる内容」(菅野典雄・福島県飯舘村長)といった評価をいただいている。
石井啓一政務調査会長 経済再生も、これからが大事だ。景気は4月からの消費増税前の駆け込み需要に伴う反動減を乗り越え、回復基調にあるが、賃金上昇が個人消費や企業収益を押し上げていく「経済の好循環」を生み出せるか。まさに正念場だ。
北側一雄副代表 そのための重要なポイントは、(1)日本の潜在力を引き出す成長戦略の実行(2)安心できる社会保障制度の構築(3)地域活性化―の3点だ。これらを軸に経済再生を強力に進めていきたい。
石井 6月に閣議決定された成長戦略の改定版では、公明党が提言した、女性や若者が活躍するための支援策が手厚く盛り込まれた。これに呼応し、大企業が女性管理職の登用に数値目標を設定し始めたのは朗報だ。日本は管理職に占める女性の割合が約11%と米国(約43%)などと比べ低いだけに、こうした動きを後押ししたい。
斉藤 元産業再生機構COO(最高執行責任者)の冨山和彦氏は、若者のグローバルな活躍を応援する政策が成長戦略に盛り込まれたことに「高い点数を付けている」と評価していた。大事なことは、これらの施策を着実に実行していくことだ。
石井 一体改革については、社会保障制度改革の道筋を示したプログラム法が成立するなど着実に前進している。政権交代のたびに社会保障制度が変われば、そのしわ寄せを受けるのは国民だ。一昨年の民主党政権当時、公明党は野党だったが、こうした問題意識から自民、民主両党と合意した。今、民主党は野党の立場だが、3党合意の当事者として一体改革に責任を持つべきだ。
北側 来年10月には消費税率10%への引き上げが予定されているが、その目的は社会保障制度の安定・充実にほかならない。消費税率引き上げに対して国民の皆さまの理解を深めていただくことは3党共同の責任ではないか。
軽減税率導入は「10%」と同時に
斉藤 同感だ。公明党が導入を強く求めている軽減税率も消費税率引き上げへの理解を深めることになるのは間違いない。
山口 世論調査で多くの支持を得ているように、軽減税率の導入は、多くの国民の共通した願いだ。消費税率10%への引き上げ時に軽減税率が導入できるよう、与党間で協議を加速させ、年末までに対象範囲などの制度設計の結論を出したい。