e小規模企業経済の主役に

  • 2014.07.28
  • 情勢/経済
[画像]メインイメージ

公明新聞:2014年7月28日(月)付



地域振興に高まる期待
事業の「持続的発展」を推進
関連2法制定
公明が強く後押し



小規模企業を日本経済の主役に!―。先の通常国会で小規模企業振興基本法と支援法が成立したことで、地域活性化への期待が高まってきた。

小規模企業とは、商業・サービス業で従業員5人以下、製造業などで同20人以下の企業を指す。国内の中小企業385万社のうち小規模企業が占める割合は86.5%(2012年2月現在)。日本企業の大半を占める小規模企業は、雇用の大きな支え手だ。

ただ、人口減少に伴う市場の縮小や海外企業との競争の激化、経営者の高齢化など小規模企業を取り巻く環境は依然、厳しい。01年に410万社あった小規模企業は、12年2月で334万社と2割も減少した【グラフ参照】。

地域経済を支える小規模企業の振興なくして経済再生はなしえない。これを踏まえ、政府は昨年6月に策定した成長戦略で20年までに黒字中小企業・小規模企業を倍増させる目標を提示した。今回の2法制定で、目標達成への動きが加速していくとの期待は高い。

小規模企業振興のための基本法が制定されたのは今回が初めて。最大のポイントは、基本原則として、単なる企業の成長だけでなく、技術の向上や安定的な雇用の維持などによる事業の「持続的発展」を掲げた点だ。「政策的な支援がこれまで実感できなかった小規模事業者に光を当てた画期的な法律」(公明党の江田康幸経済産業部会長=衆院議員)となった。

同法では、政府が小規模企業支援の体系を示す5カ年計画を策定し、国会に報告。また、基本的な施策として、(1)地域の多様な需要に応じた商品・サービスの販路拡大(2)女性や若者、高齢者など多様な人材の活用(3)地域経済活性化に寄与する事業の推進(4)小規模企業への支援体制強化―などを打ち出した。

小規模企業への支援体制強化は、小規模支援法でも進めていく。事業承継といった小規模企業の課題解決へ、全国の商工会や商工会議所が事業計画の策定、実施などを小規模事業者に寄り添って行う"伴走型"の支援体制を整えた。

小規模企業への支援をめぐって公明党は、中小・小規模企業の相談にワンストップで応じる「よろず支援拠点」の設置や融資制度の拡充などを推進。2法制定に向けては、適切な支援体制の整備などを訴え、法案に反映させるとともに、法制定を後押ししてきた。



長年の要望実現に感謝


全国商工会連合会会長  石澤 義文氏


今回の小規模企業振興基本法の制定で、5年間の基本計画の策定、国会への年次報告、地方自治体の責務など、小規模企業の持続的発展を継続的に支援する枠組みが作られた。われわれが長らく要望し続けてきた「小規模企業に光を当てる基本法」となったことを高く評価したい。山口那津男代表、井上義久幹事長をはじめ、公明党から強いご支援をいただき、感謝している。

ただ、これはスタートライン。基本法制定を踏まえ、小規模企業政策に本腰を入れて取り組んでいただいているとの実感が湧く、新たな具体的施策の展開が今後、何より望まれる。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ