e原爆の日 核兵器禁止条約の締結めざせ
- 2014.08.06
- 情勢/解説
公明新聞:2014年8月6日(水)付
きょう6日は広島、9日には長崎で69回目の「原爆の日」を迎える。犠牲になった方々のご冥福を祈るとともに、核なき世界をめざす行動への決意を新たにしたい。
近年、核兵器の非人道性を根拠に、核兵器を明確に違法化する核兵器禁止条約の締結をめざす国際世論は強まっている。
今年4月、非核保有国12カ国による「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)第8回外相会合」が広島市で開催された。会合に先立ち、各国外相らは原爆資料館を訪れ、被爆者の体験を聴講。「深く心を動かされた」との声が聞かれた。会合で採択された広島宣言では、核兵器の非人道性論議について、国際社会を「結束させる」ための触媒とすることで一致した。
また、会合には、核保有国から初めてオブザーバーとして米国務次官が参加。来年のNPT(核拡散防止条約)再検討会議に向け、米国もNPDIと緊密に連携していく意向を示した。
残念ながら核兵器は、現時点では違法とはされていない。核をめぐる国際世論について、核兵器の存在自体を許さない核廃絶論と、核保有国を中心に存在する、核兵器が平和と安全の維持に役立つとする核抑止論との隔たりは大きいのも現実だ。しかし、日本は唯一の被爆国であり、核兵器の非人道性に対する国民的な理解も深い。日本は、核保有国と非核保有国の溝を埋める役割を積極的に果たしていかなければならない。
また、厚生労働省によると、最多時には37万人を超えていた「被爆者健康手帳」を持つ人は3月末の時点で19万2719人に減っており、平均年齢は約79歳となっている。自身のつらい被爆体験を語ることで、核兵器の非人道性を糾弾してきた彼らの被爆体験は、核なき世界を築く礎となるのは間違いない。戦争を経験していない世代への体験の継承も確実に進めていきたい。
公明党は、核兵器禁止条約の2020年締結をめざし、各国指導者とNGOによる国際会議の開催などを提案してきた。これからも志を同じくする多くの団体と力を合わせ、取り組みを加速させていきたい。