e「非人道性」の議論を加速
- 2014.08.07
- 情勢/社会
公明新聞:2014年8月7日(木)付
党核廃絶委が広島で講演会
公明党の核廃絶推進委員会(浜田昌良座長=参院議員)は「広島原爆の日」の6日、広島市内で講演会を開き、公益財団法人・広島平和文化センターの小溝泰義理事長、長崎大学核兵器廃絶研究センターの鈴木達治郎副センター長(教授)が講演した。公明党の山口那津男代表をはじめ、衆参国会議員、広島県本部の議員、長崎市議が出席。被爆者団体、国際NGO(非政府組織)の代表らも参加した。
あいさつした山口代表は「核兵器のない世界に向けた国際的な合意形成に、日本政府がその推進役を引き受けなければならない。唯一の被爆国であるわが国こそ、権利と義務の点から積極的な発言をしていくべきだ」と述べた。
講演で小溝氏は、「核兵器による抑止論は、相互不信から脅しで平和を保とうとするのが本質。こんなおかしな、不合理な核抑止論を据えている安全保障は長続きしない」と強調。「もっと幅広い安全保障の構想を出していくことが大事で、核の非人道性に焦点が当たっている流れを強め、核抑止論を代替する構想をつくっていかないといけない。正念場だ」と訴えた。
一方、2015年11月に長崎市で開かれる、核兵器と戦争の根絶をめざす科学者による「パグウォッシュ会議世界大会」の組織委員長を務める鈴木氏は、「被爆70年に被爆地で開催する意義は大きい。北東アジアの核問題や、原子力と科学者の社会的責任などを議論したい」と述べた。
また、北東アジア非核兵器地帯の実現について「夢物語のように思われるが、ラテンアメリカおよびカリブ核兵器禁止条約(トラテロルコ条約=1968年発効)も、とても実現する見通しはなかったが、交渉のプロセス自体が信頼醸成と安定を進めた。困難な状況はあきらめる理由にはならない」と力説した。