e心停止迷わずAEDを

  • 2014.08.25
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年8月23日(土)付



一般使用から10年  急拡大も利用率は低調
公明、全国で普及促進に尽力



公明党が全国で普及を推進してきた自動体外式除細動器(AED)の使用が、一般人にも認められるようになって7月で10年が過ぎた。厚生労働省研究班のまとめによると、普及台数は40万台に迫っており【グラフ参照】、現在では45万台を超えているとされる。NPO法人AED普及協会の大久保実代表理事によると、「日本は人口1人当たりのAED普及率が世界一だ」という。

AEDは、心臓の心室がけいれんを起こし(心室細動)体に血液を送り出せなくなった状態を、電気ショックにより心臓の動きを正常に戻す装置。従来は医療従事者のみに使用が認められていたが、2003年に救急救命士に使用が拡大され、04年7月には一般市民にも解禁された。

駅や空港、学校をはじめとした公共施設、商業施設などを中心に急速に普及しているAEDだが、総務省消防庁では今年7月、全国の消防本部に対し、さらなる有効活用に向け、市民が設置場所を知ることができるよう情報提供することや、設置施設の従業員や周辺住民らに対する応急手当の普及促進などに取り組むよう求めた。

一方、消防庁は一般市民が心肺停止状態の人を発見し、その場でAEDを使用した場合の1カ月後の生存率は、未使用の場合よりも約4.4倍も高いとしている。

ところが、市民によるAEDの使用率は3.7%(12年度)と低調だ。大久保代表理事は「使い方が分からない人も多く、フル活用されていない。数は増えても10年前と変わらない状況だ」と話す。また、現場に居合わせても、不安などから使用をためらっているケースもあると指摘し、「人の命が懸かっている。大声を出すだけでも構わないので勇気を出してほしい。そこから救命は始まる」とした上で、講習を受けられる機会や、講師を増やす必要性を訴える。

公明党は03年から国会質疑の中でAEDの設置拡大や、一般市民への使用解禁を強く主張。全国の自治体でも公明議員が普及を訴えるとともに、党支部会などで党員がAEDの使用法を学ぶ講習を実施するなどして、市民への普及啓発に取り組んできた。

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