e豪雨対策 1時間75ミリに対応
- 2014.09.01
- 情勢/気象
公明新聞:2014年9月1日(月)付
太田国交相 避難計画の義務化も検討
太田昭宏国土交通相(公明党)は31日午前、NHK番組「日曜討論」に出演し、広島市で発生した土砂災害に触れ「雨の降り方が局地的、集中的、激甚化している」と指摘した上で、豪雨対策を進める上で前提となる1時間当たりの雨量について、「地形によっても違うが、これまでの50ミリ対応ではだめで、75ミリに対応していく必要がある」との考えを明らかにした。
土砂災害防止法に関しては、「(秋の)臨時国会での改正を考えており、大きな三つの柱を検討している」と表明。まず、土砂災害警戒区域に指定された市町村にハザードマップの作成を義務付けている現在の対策に加え、住民の避難行動計画の策定も求める規定を盛り込んでいくと強調した。
さらに、都道府県が警戒区域などの指定の際に行う基礎調査の結果公表の義務化や、土砂災害警戒情報の市町村への提供義務付けを進める考えも示した。
一方、警戒区域に住む住民に建築などに関する私権の制限を強めるという考え方に対して、「単なる力ずくの強制力ではなく、住民にどこまで納得してもらえるか、あくまでも命を守るという一点が大事だ」と述べた。
今後、本格的な作業が進む来年度の予算編成に向けては、「防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化のため、優先順位を付けて命を守る公共事業を的確に実施する」と強調。砂防ダムの整備についても、「財政の制約があるからこそ、優先順位を見極めて人命を守る体制を取りたい」と語った。
避難勧告のあり方に関しては、情報を素早く的確に漏れなく伝える必要性を指摘した上で、命を守るためには住民の主体性も重要であるとし、「国民の意識変化を促すために、国としてもバックアップしなければならない」と訴えた。