e次の50年へ勇躍出発を
- 2014.09.09
- 情勢/社会
公明新聞:2014年9月9日(火)付
公明党全国大会(9月21日)へ向けて
井上幹事長、石井政調会長に聞く
公明党は21日に第10回党全国大会を開催します。党大会の意義や議論となるテーマなどについて、井上義久幹事長と石井啓一政務調査会長にそれぞれ聞きました。
公明は合意形成の要役
新たな時代の衆望担い中道政治掲げ前進
井上義久 幹事長
―今回の党大会の意義について。
井上幹事長 公明党は、11月17日で結党50年を迎えます。政党の離合集散が激しい中で50年の節目を迎えられるのは、公明党に夢と希望を託して真心の支援を寄せてくださった党員、支持者の皆さまのおかげです。
この50年、公明党は「大衆とともに」の立党精神を掲げ、党綱領に中道主義を明記した唯一の政党として、時代の変化に対応しながら福祉施策の充実など国民的な合意形成を導く"扇の要"の役割を果たしてきたと自負しています。その上で、次の50年をめざし、「中道」の今日的な意義や政党のあり方を確認し、出発したいと思います。
―そのポイントは。
井上 キーワードは「合意形成」です。ポピュリズム(大衆迎合)を排しつつ、合意を形成していくことに「中道」の役割があります。そこにこそ新たな時代の新たな衆望を担う中道政治の前進があると訴えたい。
政党のあり方が問われている中で、政治人材の発掘、育成も政党の役割です。政党が存続しなければ、その機能は果たせません。こうした公明党の強みを生かし、さらに磨き上げようと呼び掛ける考えです。
―内政外交のビジョンに関しては。
井上 安倍改造内閣が発足しましたが、当面の最優先課題が、東日本大震災、原発事故からの復興加速、経済再生、社会保障と税の一体改革の推進であることに変わりはありません。
復興は、2015年度までの集中期間で、住宅再建とまちづくりを目に見える形で仕上げなければなりません。経済再生に向けては、国内総生産(GDP)や雇用の約7割を占めるローカル(地方)経済圏の活性化を重視します。社会保障の拡充では、25年を見据え、「地域包括ケアシステム」の構築などに取り組みます。
その上で、人口減少社会と地方創生という課題があります。特に行政サービスをどう維持し、地域のなりわいをどうつくるか。子育て支援など各種の施策を推進していく必要があります。さらには、女性や若者が活躍できる環境づくりも重要な課題です。
外交・安全保障では、安保法制整備に関する閣議決定を受けて切れ目のない法制づくりに責任を持って取り組み、平和国家としての歩みを確実にすることや、日中、日韓の首脳会談の実現に力を入れることなどを掲げます。
―党活動の方針については。
井上 従来からの「議員力アップ」「ネットワークの強化」「公明新聞の拡大」「女性・青年運動の拡大」の4本柱を深化させます。
なかでも、議員力アップでは、二元代表制にあって公明党の地方議員は、新たな地域づくりへの構想力や政策の提案・実現力、議会の意思を集約する力を磨く必要性を強調します。
統一地方選の勝利で揺るぎない基盤つくる
公明新聞の拡大に向けては、第2期集中期間(9月20日~11月20日)のスタートに当たり、機関紙として果たす役割を確認します。 ―党大会は来春の統一地方選への出陣の意義があります。
井上 人口減少の中で地方創生をどの党が担うのかを選ぶ選挙であり、党にとっては「次の50年」の揺るぎない基盤をつくる重要な戦いです。公明系候補の地方議会初進出から60年目の節目にも当たります。
地方議会からスタートし、地方議会に軸足を置いてきた公明党だからこそ、地方の再生に力を発揮することができます。定数減が相次ぎ、極めて厳しい選挙戦となりますが、今後2年以内に予定される参院選、さらに衆院選も見据え、全員当選へ怒濤の前進を開始していきます。
活気ある温かな地域に
統一選へ政策提言 包括ケア軸に、人口減にも対策
石井啓一 政調会長
―党大会で発表する政策提言「"活気ある温かな地域づくり"をめざして」の意義は。
石井政調会長 全国の各地域が人口減少・超高齢化の問題に直面している今、地方の潜在力を引き出す「地方創生」が国政の最重要課題として浮上しています。そこで、公明党の地方創生に対する考え方を示すため、全国の都道府県本部政策局長など地方議員との活発な意見交換を踏まえ、提言をまとめています。
この提言は、今後の国会論戦などを通して、さらに内容を磨き上げ、来年2月をめどに発表する来春の統一地方選挙の重点政策に反映させる予定です。
―政策の柱は。
石井 高齢者や女性・若者が元気で安心して活躍できる社会をめざし、(1)支え合う地域づくり(2)魅力ある地域づくり(3)安心な地域づくり(4)活力ある地域づくり―の四つの柱を掲げました。
このうち「支え合う地域づくり」のポイントは、高齢者が住み慣れた地域で医療・介護・生活支援などのサービスを一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の構築をめざし、人材やサービスの確保のほか、認知症対策などに取り組みます。特に介護職の人材不足対策に力を入れ、報酬アップなどの処遇改善を進めます。
また、来年4月に始まる生活困窮者自立支援制度の着実な実施により、生活保護に至る前の相談支援や就労支援を充実させます。
―「魅力ある地域づくり」の狙いは。
石井 人口減少対策として、若者らの地方就職を支援し、都市から地方へと人の流れを転換します。また、都市部の若者らが過疎地に暮らし、地域協力活動を行う「地域おこし協力隊」事業の1000自治体での実施をめざします。
地域の経済と雇用を支える中小・小規模企業の経営支援や農林水産業の振興、再生可能エネルギーを生かしたまちづくりも重要です。
―「安心な地域づくり」で訴える対策は。
石井 今年6月に閣議決定した国土強靱化基本計画を受け、今後は都道府県・市町村ごとの計画策定を推進します。老朽化したインフラ(社会資本)の改修や耐震化、大雨による水害・土砂災害への対策も急がなければなりません。
さらに、自主防犯活動を行う住民・団体への支援や、空き家の利活用に向けた法整備にも取り組みます。
―「活力ある地域づくり」では、女性や若者の活躍などを掲げています。
石井 女性に関しては、来年4月に本格施行となる「子ども・子育て支援新制度」の着実な推進や、女性特有のがん検診の拡充を提唱。若者については、非正規労働者の正社員化に加え、危険ドラッグ対策の強化などに力を尽くします。
このほか、地方議会の政策提言機能を強化する議会改革や、公会計改革による自治体財政の「見える化」も進めていきます。