e井上義久幹事長インタビュー
- 2014.09.11
- 情勢/解説
公明新聞:2014年9月11日(木)付
目に見える復興の姿示す
住宅再建、心のケアを重視 被災者に希望届ける
東日本大震災の発災から3年半が経過した被災地の課題や、復興加速への決意について、公明党の井上義久幹事長(東日本大震災復興加速化本部長)に聞いた。
―現状の受け止めを。
井上義久幹事長 復興の第一歩となる震災がれきの処理が、福島県の一部を残すのみとなり、道路や鉄道などのインフラ(社会資本)整備も急速に復旧し、病院は93%、学校施設も96%まで終了しました。
しかし、いまだプレハブの仮設住宅で暮らす9万人を含めた25万人近い方々が避難生活を強いられています。政治は結果責任であり、生活再建が思うに任せない現実に、率直に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
―これまでの党の闘いについて。
井上 われわれは発災以来、「人間の復興」の実現へ、何度も現場に行き、刻々と変わるニーズにきめ細かく対応するなど、総力を挙げて取り組んできました。
現在では、被災3県の担当国会議員の体制を、福島県の双葉郡8町村まで拡充しました。先日には、宮城県本部が4回目の仮設住宅アンケートを実施し、県に要望するなど、現場に即した粘り強い取り組みを続けています。連立政権では今回の改造内閣でも、復興加速を政権の最重要課題として「全閣僚が復興担当」との決意で臨むと、首相があらためて指示を出しました。
―目下の課題は。
井上 仮設住宅での生活が長期化し、住宅の劣化や、被災者の健康、心のケアへの対応が不可欠です。
現場では、本格的な住宅再建やまちづくりが進められていますが、既存の工程表を常に見直し、将来の見通しを明らかにすることが重要です。また、復興住宅の建設を急ぎ、移転先のコミュニティー形成などの具体的な課題にも、きめ細かく対応しなければいけません。風化や、風評被害の払拭にも一段と力を入れる必要があります。
福島再生に向けては、汚染水対策や除染などを確実に進め、帰還困難区域の復興計画を策定して、国が実現のけん引力となっていくべきです。また、浜通り地域に新産業拠点を構築する「イノベーション・コースト構想」の具体化へ、政府一体の体制を早急につくらなければいけません。
―さらなる復興加速に向けた意気込みを。
井上 被災者が、当たり前の日常生活を一日も早く取り戻すことができるよう、最大限の力を注いでいきます。来年3月に仙台市で開かれる「第3回国連防災世界会議」では、目に見える復興の姿を世界に示すとともに、2015年度末までの集中復興期間(5年間)で復興をさらに加速させ、その後も、予算の確保や特例制度の延長など、柔軟な対応を求めていきます。
今後は、現場のニーズを的確につかむ力に加え、地域ごとのあるべき復興の姿を、具体的に提案することが求められます。被災者が希望を持てるよう、今まで以上に現場に寄り添い、党のネットワークの力を結集して復興加速に取り組みます。