e女性の活躍 地域独自の推進プラン検討を
- 2014.09.19
- 情勢/解説
公明新聞:2014年9月19日(金)付
地域や職場で、女性が生き生きと活躍できる社会をめざし、さらに取り組みを加速させていきたい。
安倍首相は先週、世界の女性指導者が集った国際シンポジウムで講演し、女性の活躍を後押しする「全ての女性が輝く政策パッケージ」を10月に策定する考えを示した。
一部の民間企業では、女性の発想を商品開発に生かす取り組みが出てきた。子どもを抱いたままでも乗り降りしやすくするためドアが大きく開く自動車や、爪が長い女性でもカバーを開けやすいノートパソコンなど、女性社員の発案で数々のヒット商品が生まれている。
女性役員の比率が高い企業グループは、低いグループに比べて売上高利益率が4割以上も上回るとの海外の調査がある。育児や介護支援などワーク・ライフ・バランスに取り組む企業の方が、業績が良い傾向にあることも知られている。女性の意見を企業経営に取り入れれば、その企業の発展だけでなく、経済全体の底上げにもつながる。
一方、女性の活躍は地場産業の活性化など地方創生とも密接な関係がある。
地域活性化の成功例として有名な徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」は、料理の添え物だったモミジを持ち帰ろうとした女性客を見て思い付いたという。このビジネスの担い手も、地元農家の女性たちだ。和歌山県古座川町では、廃棄していたゆずの皮がもったいないと、女性の有志で加工品開発を開始。事業の拡大に伴って、若者のUターンを促す要因にもなっている。
生活に密着した女性特有の着眼点や柔軟な発想は、地域に眠る資源を掘り起こす鍵になる。国の政策パッケージに加え、地域独自の推進プランを策定すれば、女性の活躍を一段と後押しできるはずだ。
埼玉県は、女性の活躍を支援する施策を一元的に担当する「ウーマノミクス課」を設置。女性が働きやすい職場づくりを行う企業を認定し、優遇策を実施するほか、女性の就業・起業の支援などを強力に進めている。認定企業は県内で1000社を超え、着実に広がっている。
こうした自治体の取り組みを政府は積極的にサポートし、普及させていくべきだ。