e自転車の安全利用めざす
- 2014.09.25
- 政治/大阪
公明新聞:2014年9月25日(木)付
実態調査し、政策提言
府知事、大阪市長らに申し入れ
党大阪府本部府民運動局
公明党大阪府本部の佐藤茂樹代表(衆院議員)は24日、大阪府庁内で記者会見を行い、同本部府民運動局(金沢一博=大阪市議)が今年6月1日から7月22日にかけて実施した「自転車安全利用に関するアンケート」と、各自治体への聞き取り調査の結果をまとめ、政策提言を発表した。国重徹・府副代表(衆院議員)、金沢局長、垣見大志朗府議も同席した。府本部では今後、提言をもとに自転車安全対策の推進へ全力を挙げる方針だ。なお公明党はこの日、松井一郎府知事、橋下徹大阪市長ら宛てに申し入れも行った。
アンケートに8万人回答 43市町村への聞き取りも
日ごろの移動手段として、日常生活には欠かせない自転車。しかし、大阪府内において、2013年までの10年間で発生した自転車同士の事故件数は4割増、対歩行者では7割増。また、事故が起きた場合、加害者は数千万円に及ぶ賠償を請求される事例が全国で相次いでいるが、現在、自転車保険への加入は義務付けられておらず、対策の必要性が高まっている。
傷害保険
加入者 30・1%
知らない 58・9%
こうした状況から、府民運動局は自転車の安全利用に関する実態を探り、総合的な政策を推進していくために、府民へのアンケートを実施。8万475人から回答を得ることができた。設問は、自転車傷害保険の加入の有無や、安全利用に関する要望など7項目。
このうち、「自転車傷害保険に加入しているか」との問いに対し、「加入している」と答えたのは30.1%で、約3割にとどまっていることが判明。一方、「未加入」と答えた66.9%の人は、その理由として「保険について知らない」(58.9%)が最も多く、「加入する必要がない」(15.6%)、「年間保険料が高い」(11.3%)が続いた。ほかにも「どこに申し込めばいいのか分からない」「過去に加入したが、更新していない」との声も寄せられたという。
また、「安全確保のために進めてほしい事項はあるか」(複数回答可)との問いには、「自転車専用レーンの設置など歩行者との分離」(4万9572人)、「学校での教育や講習」(4万5944人)との回答が上位を占めた。
一方、アンケートに先立って行われた府内全自治体(43市町村)を対象に行った聞き取り調査では、学校での自転車安全教育について、小学校では89.5%が実施していたものの、高校では65.2%、中学校に至っては44.3%と半数にも満たなかった。
提言内容
予算確保と保険加入の促進(国)
サイクルポリスで取り締まり(府)
専用レーン設置へ計画策定(市町村)
会見では、これらの結果を示した上で、府民運動局は国、府、市町村それぞれに対する提言を発表。国には、(1)自転車利用環境の整備と安全教育のための予算の確保(2)自転車対人事故における賠償高額化の実態の検証と、保険に加入しやすい仕組みづくり―を要望。府に対しては、サイクルポリス(仮称)の編成による取り締まり強化や学校における安全教育の徹底を求めた。そして市町村へは、地域に即した安全条例の制定、自転車専用レーン設置に向けた中長期計画の策定など、計8項目の実施を要請していくことを確認した。
この後、国重氏らは、小河保之副知事らと会い、調査結果と提言内容を説明し、自転車安全利用対策の強化を求めたほか、金沢局長ら党大阪市議団も橋下大阪市長宛てに要望した