eIターン者が島おこしの起爆剤

  • 2014.09.25
  • 情勢/社会
[画像]メインイメージ

公明新聞:2014年9月25日(木)付



活性化交付金 「使途柔軟に」の要望も
党対策本部 隠岐諸島(島根)を調査



公明党離島振興対策本部(遠山清彦本部長=衆院議員)は、22日から24日にかけて、島根半島の北方に浮かぶ隠岐諸島(島根県)を精力的に視察し、生活面や経済面で本土との格差がある離島が抱える課題を探るとともに、島の活性化策について自治体首長や教育関係者、住民らと意見を交わした。

遠山本部長のほか、山本博司事務局長(参院議員)、中野洋昌事務局次長、濵地雅一、濱村進の各衆院議員、三島治県議、田中明子・松江市議、佐々木厚子・安来市議が同行した。

初日に、遠山本部長ら一行は隠岐の島町を訪れ、創業支援に取り組む「隠岐の島ものづくり学校」や魚介類を中心とした特産品の加工施設を調査。次いで松田和久町長から町を取り巻く課題について聴取し、航路運賃の低廉化対策や海岸漂着ごみの処理、町の認知度向上に対する支援を求める声が寄せられた。

翌23日には、西ノ島町で国立公園に指定されている景勝地、国賀海岸などの環境保全への取り組みなどを確認した後、海士町へ。山内道雄町長らとの意見交換会では、人口減少が全国的な課題となる中、産業振興や少子化対策、町内で唯一の高校、県立隠岐島前高校の魅力化に力を入れ、離島ながら移住促進が進んでいる状況について説明を受けた。

この中で、同町の吉元操財政課長らは、40代以下の移住者がここ10年で437人に上っていると述べた上で、「若者が島おこしの起爆剤になっている」と強調した。公立塾「隠岐國学習センター」の豊田庄吾センター長と、同高の魅力化プロジェクトに携わる岩本悠さんは、廃校の危機に瀕した高校で島外から意欲ある生徒を受け入れる「島留学」などを取り入れ、生徒数の増加に結び付けている取り組みを報告した。

また一行は、定住促進や観光振興に向けた取り組みを推進する「離島活性化交付金」の使途について懇談。山内町長は、ハード、ソフトの両面で自由度を高めることを進めるよう訴えた。

遠山本部長は、「自治体が交付金を使いやすいよう、十分な予算確保に努めながら運用を見直したい」と述べた。さらに、新産業創出の一翼を担うIターン(大都市圏から地方へ移住)の人たちが活躍している岩がきの養殖場や干しナマコの加工施設で、関係者の話に耳を傾けた。

最終日に訪問した知夫村では、福山孝行村長の案内で牛の放牧地などを視察するとともに、安定した行財政運営に向けた地方交付税の充実に関して要望を受けた。一連の行程を終え、遠山本部長は「各島で寄せられた要望を、今後の振興策に反映していきたい」との考えを示した。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ