e「小さな拠点」各地に整備
- 2014.09.26
- 情勢/社会
公明新聞:2014年9月26日(金)付
店や病院と集落つなぐ
人口減対策で国交省
人口減少や高齢化が進む地方の集落消滅を回避し、持続可能な地域づくりを進めるため、国土交通省は本格的な対策強化に乗り出す。7月には、2050年を見据えた国土づくりを示した「国土のグランドデザイン2050」を発表。取り組みのポイントとして「コンパクト+ネットワーク」を掲げ、来年度予算概算要求の優先課題推進枠に関連費を計上した。
このうち、「コンパクト」に当たるのが、拠点地域に診療所、商店、郵便局といった生活サービスを集約し、コミュニティーバスなどの公共交通で周辺集落と結ぶ「小さな拠点」【イラスト参照】づくりだ。集落の人々を中心地に移住させる"集落切り捨て"ではなく、生活サービスをワンストップ化することで、行政の効率化と、自動車を持たない住民でも困らない環境の構築を両立する。
併せて、住民が共同出資して、スーパー跡地で生活用品を販売する「集落コンビニ」や、道の駅に農家レストランを開店することで、買い物先の確保や地域雇用の創出につなげる取り組みも支援する。
一方、人口減少が急激に進む中で各地に小さな拠点をつくるだけでは、百貨店や救急救命センターなどの高度都市機能を維持することはできない。そこで、「ネットワーク」に当たる内容として、隣接し合う地方都市が高速道路などを活用して一定規模の都市圏を維持する「高次地方都市連合」の構築をめざす。
地方の再生に関して公明党は、9月21日に発表した政策提言で「コンパクトでスマートなまちづくりの推進」を明記。「活気ある温かな地域づくり推進本部」を中心に、全国の地方議員の意見を十分に踏まえながら、地域包括ケアシステムの構築と併せて活発な議論を展開している。