e林業活性化へ普及促す

  • 2014.10.01
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年10月1日(水)付



政府 CLTの量産体制に着手



現在3割に落ち込んだ木材自給率を2020年までに5割以上とする目標の達成に向け、政府は、「クロス・ラミネイテッド・ティンバー」(CLT=直交集成材)という木材パネルの普及を加速させる。技術開発を支援するほか、CLTの量産を始める企業に設備導入費の最大2分の1を補助する必要経費を15年度予算概算要求に計上した。

CLTは、木の板を繊維の方向が交差するように何層も貼り合わせて厚くした集成木材。耐震性、断熱性、防火性に優れているほか、コンクリートに比べて軽く組み立ても容易なため、欧州では戸建て住宅から10階建ての集合住宅にまで幅広く使われている。

一方、日本でCLTは、建築物の骨組みになる構造材として認められておらず、例外を除いて使用ができないため、生産している企業は少ない。そこで政府は「16年度早期をめどに建築物の基準を策定する」(太田昭宏国土交通相=公明党)ことで使用を解禁するとともに、前倒しでCLTの量産体制を整える考えだ。

CLTの普及で林業が活性化し、手入れが行き届いていない山林が適切に伐採されるようになれば、荒廃する里山の再生や、残材を使ったバイオマス発電の拡大につながるとみられる。このため公明党は、山口那津男代表らが製造企業を訪れ、現場の要望を聞いたほか、国会質問で来年度予算概算要求の関係費確保に尽力。公共施設などの建築物に木材の利用を促す法律の制定にも取り組んできた。

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