e環境、多文化理解育め

  • 2014.10.09
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年10月9日(木)付



共生施設 運用柔軟に
中韓との関係改善を
参院予算委で荒木、佐々木氏



参院予算委員会は8日、安倍晋三首相と全閣僚が出席して総括質疑を行った。公明党からは荒木清寛参院政策審議会長、佐々木さやかさんが質問に立ち、外交や「持続可能な開発のための教育(ESD)」、女性・若者の活躍推進などについて政府の見解を求めた。=質疑要旨

荒木氏は、日中関係の改善に向けて「政治、経済、文化などあらゆる分野で官民挙げての対話・交流を深めるべきだ」と強調。安倍首相は「幅広い分野における協力、対話を積極的に進めていく」と述べた。

併せて、荒木氏が日韓関係について、11月に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での首脳会談実現を求めたのに対し、首相は「国際会議の機会に首脳会談ができればよいと思う」と答えた。

続いて荒木氏は、年齢や障がいの有無に関係なく利用できる「共生型福祉施設」に言及。宮城県内の施設で、高齢者、障がい者、子どものそれぞれ独立した部屋を設置しなければならないなどの制約により、運営に支障を来した事例を挙げ、「しゃくし定規な施設基準の適用を改めるべきだ」と迫った。塩崎恭久厚生労働相は、柔軟な運用は可能であるとの認識を示し、「運用方法を周知徹底して、臨機応変にしていけるようにしたい」と表明した。

また、小児がん対策で荒木氏は、治療後の療養上の相談支援や長期支援体制の整備・拡充、就労支援対策などを「積極的に進めるべきだ」と要請した。

さらに荒木氏は、環境や他文化理解などを通して子どもたちの地球市民としての価値観を育む、国連の「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」が今年で最終年を迎えたことから、学校での取り組み推進へ、ESDの意義や指導方法の一層の周知に加えて、「実施促進のための支援の充実を」と訴えた。下村博文文部科学相は「施策の充実に取り組む」と語った。



「マタハラ」防止 義務付けよ

一方、佐々木さんは、働く女性が妊娠・出産を理由に解雇されたり、退職を勧められるなど、心ない言葉を言われるマタニティー・ハラスメント(マタハラ)の相談件数が増加している点に言及。「今国会で提出予定の『女性の活躍推進法案』で、企業にマタハラ防止の行動計画策定を義務付けるべきだ」と指摘した。

塩崎厚労相は「各企業が行動計画策定に当たって参考となる指針を定めることを検討している」と答えた。

また佐々木さんは、女性が暮らしやすい安全な社会づくりに向けてストーカー対策や性犯罪被害者支援策の強化を求めた。

ニートなどの若者支援に関して佐々木さんは、個別の状況に応じた自立・就労支援を行う「地域若者サポートステーション」(サポステ)の安定財源が確保されていないことを指摘。「法的位置付けを明確にして、専門的な相談支援を安定的に継続するべきだ」と訴えた。

厚労相は「サポステは若者の職業的な自立を図る重要な事業であり、安定的な運営が必要だ」と述べた上で、支援の充実に取り組む考えを示した。

このほか佐々木さんは、自宅で働く障がい者への支援について、在宅就業者に仕事を依頼することが企業の利益となる仕組みが必要だと主張。仕事の依頼を企業の障がい者雇用率に反映させる仕組みを提案した。

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