eコラム「北斗七星」

  • 2014.10.10
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年10月10日(金)付



先輩のお宅へ。心なしか夫人の表情が硬い。そういえば、老犬がいない。たずねるとつい最近死んだとのこと。「最期までみとることができたのが、せめてものこと」とつぶやくや、涙がにじむ。落胆のほどが伝わる◆2000年代に急増した犬や猫を飼う人は、10年代に入って犬が860万世帯、猫が550万世帯前後で横ばいか微減に。特徴的なのは、人間の高齢化と並行するようなペットの高齢化◆昨年度調査で平均寿命は犬が14・19歳、猫が15・01歳と年々、伸びている。人間に換算すると、小型犬なら72歳、大型犬では93歳、猫は76歳にあたる。高齢期とされる7歳以上のペットは犬で52%、猫では46%を占める(ペットフード協会調べ)◆試しに近くのホームセンターへ。高齢ペットのための食べ物や歯ブラシ、足が不自由になってきた場合の補助器具などが並ぶ。また、飼い主の高齢化や病気などによってめんどうを見られなくなった場合に預けられるペット専用の介護施設や預かりサービスの開設も相次ぐ◆昨年9月1日には、飼い主の終生飼育を義務付ける改正動物愛護管理法が施行された。高齢者や障がいをもつ人に、ペットが癒やしと励ましの効果があることはよく知られている。人間とペットが、最期まで共により良く生きること。そのための努力が続く。(繁)

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