eローカル経済圏を強く

  • 2014.10.16
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年10月16日(木)付



衆院地方創生特委で濱村氏



衆院地方創生特別委員会は15日、地方創生関連2法案に関する質疑を行い、公明党の濱村進氏が質問に立った。

濱村氏は、9月に島根県隠岐諸島を訪れ、地域住民らと意見交換してきたことを踏まえ、「地方創生は人こそが命だ」と強調。同諸島・海士町の住民が地域活性化に自発的に取り組み、成果を挙げている点に触れ、「こうした成功例を全国で起こしていくことが大事」と指摘した。

その上で、国内総生産(GDP)や雇用の約7割を占める「ローカル(地方)経済圏」の活性化に必要な視点や方策について質問。地域のスーパーが地元の漁業協同組合から鮮魚を仕入れ、物流コストの削減や地産地消に努めている兵庫県内の事例などを紹介し、「一つのローカル経済圏のモデルになり得る」と主張した。


中小企業の生産性高めよ

濱村氏は、ローカル経済圏を担うサービス産業や、農業などの1次産業、観光業の中小企業は、労働生産性(労働者が時間当たりに生み出す付加価値)が低く、小売りなどでは米国の半分以下にすぎない現状を指摘。「生産性を上げることが大事な目標」として、地方創生に向けた国の総合戦略では、実施状況を検証するための指標に労働生産性を加えるよう求めた。

一方、「生産性向上に特効薬はない。地道に仕事のやり方を改善しながら、IT(情報技術)、省エネ化を進めなければならない」とし、「地方創生担当相がリーダーシップを発揮して、(生産性向上に向けた施策の推進について)各省庁に指示を」と要望。石破茂地方創生担当相は、各大臣に指示を出す意向を示した上で「(地方の)持続可能性を維持するためには、生産性を上げなければならない」と答弁した。


金融機関の"目利き"強化も

濱村氏は、地域活性化に向け、生産性の高い企業に事業や雇用を集約していく観点から、生産性が低い企業の事業承継などを円滑にする重要性を指摘。平将明内閣府副大臣は「ベストプラクティス(最善の方法)を見習って生産性を上げていただくとともに、(産業)全体の新陳代謝を高めていく政策を総合的に実施していきたい」との考えを示した。

さらに、濱村氏は金融面で中小企業を支えていくには「地域で金融機関が中小企業に寄り添う必要がある」と強調。担保や保証人に依存するのではなく、事業内容を正確に評価した上で融資を行う"目利き力"を金融機関が磨く必要性を訴えた。

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