eフリースクール支援へ

  • 2014.10.17
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年10月17日(金)付



文科省が初の方針 不登校に「多様な学びの場」



不登校の児童・生徒らに多様な学びの場を提供するフリースクールについて、文部科学省は国として初めて公的支援を検討する方針を決め、来年度予算の概算要求に調査研究費や検討会を設置する予算を盛り込んだ。

小・中学校の不登校の児童・生徒数は2013年度時点で約12万人。不登校の児童・生徒を受け入れるフリースクールは現在、全国に約400施設あるが、学校教育法上の「学校」ではないため、公的な支援制度は適用されていない。

公的な支援を受けられないため、フリースクールの授業料など保護者の教育費負担は大きく、高校へ進学せずにフリースクールに通う生徒の場合は、通学定期を購入できないなどの課題もある。一方、受け入れるフリースクール側も少人数の生徒で経済的に厳しい運営を行っている施設が少なくない。

国は1992年に小・中学校での不登校への対応策として、学校長の裁量でフリースクールへの通学を「出席扱い」にできるとの方針を打ち出したが、公的な位置付けはないままで、法整備などを望む声も強い。

こうした中、文科省は9月1日から省内に「フリースクール等プロジェクトチーム」を設置し、担当官も配置。来年度予算概算要求には「フリースクール等支援策」(約1億円)などを盛り込んだ。内訳は、施設や団体の指導体制や指導方法を調査する費用に5400万円、フリースクールの位置付けなどを議論する検討会の設置・運営に4400万円などとなっている。文科省は今後、フリースクールの位置付けについて前向きに検討する方針だ。

これまで公明党は、不登校やひきこもりの児童・生徒の受け皿として、学校制度を補完し、多様な学び方を提供するフリースクールを公的に位置付けることをいち早く訴えてきた。

今年6月には、衆院文科委員会で公明党の中野洋昌氏が、「(不登校の児童・生徒が)学校に戻っても必ずしもうまくいくわけではない。新しい選択肢としてフリースクールなどをしっかり位置付けた方が良い」と主張した。また、党文科部会が7月、文科相に求めた来年度予算概算要求の重点政策要望でも、フリースクールへの公的支援を求めていた。
画期的な概算要求

NPO法人「東京シューレ」 奥地圭子理事長

NPO法人「東京シューレ」 奥地圭子理事長文部科学省の来年度予算概算要求に初めてフリースクール支援策が盛り込まれたのは、画期的な一歩と言っていいと思います。

これまで政府は、学校以外の学びの場を認めず、不登校やひきこもり支援に関して学校への復帰を前提にした政策を行ってきました。そんな中で、フリースクールなど学校以外の学びを応援する予算が付いたのです。

公明党には、大変に協力をいただき感謝しています。今後も、子どもたちの多様な学びを後押ししてほしいと思います。具体的な支援が始まるのは、現場の調査研究を踏まえて2、3年後になるでしょうが、まずは一歩踏み出したことが重要なので、この小さな芽を大切に育ててほしいです。

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