e技術革新へ「若手」支援を

  • 2014.10.23
  • 情勢/テクノロジー

公明新聞:2014年10月23日(木)付



ノーベル賞・天野氏が講演
党合同会議



青色発光ダイオード(LED)の開発で、名城大学の赤﨑勇教授、米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授と共に、ノーベル物理学賞の受賞が決まった名古屋大学大学院の天野浩教授は22日、衆院第2議員会館で開かれた公明党文部科学部会、科学技術委員会の合同会議で講演した。名古屋大学の濱口道成総長らが同席した。

天野氏は、自身が学生の時、名古屋大学にいた赤﨑氏の研究室で青色LEDに必要な「窒化ガリウム」の高品質結晶の作製に取り組んだことに触れ、「何千回もうまくいかない時が続いたが、少しずつ勉強して、技術も習得していった」と説明。試行錯誤する中で研究装置が故障したことをきっかけに新技術を開発し、高品質結晶の作製に成功したと紹介した。

これを踏まえ天野氏は、「大きな課題があった時に、それを突破するのは若い力。博士課程や若いポスドク(ポストドクター=博士研究員)がイノベーション(技術革新)には必須だ」と述べ、奨学金制度の充実など博士課程の学生を確保するための経済的支援を求めたほか、基礎研究への支援も訴えた。

一方、濱口総長は、天野、赤﨑の両氏を含めて「名古屋大学に在籍した研究者のノーベル賞受賞者は6人になった」と紹介。受賞者の共通点を(1)若いうちに爆発的な力を発揮している(2)(天野氏が赤﨑氏に師事したように)研究上の良い師匠がいる―と述べた。

講演に先立ち天野氏は、公明党の山口那津男代表と懇談。山口代表は、天野氏が失敗を繰り返しながらもあきらめずに研究を重ね、成果を生み出したことに触れ、「まさに『失敗は成功のもと』の好例だ」と敬意を表明。併せて、「若い研究者が活躍できる支援が必要」との考えを示した。

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