e2閣僚辞任 襟を正し女性活躍社会へ進め
- 2014.10.23
- 情勢/解説
公明新聞:2014年10月23日(木)付
「政治とカネ」の問題で女性閣僚2人が同時辞任した。
小渕優子前経済産業相と松島みどり前法相。両氏とも安倍政権が掲げる「女性が活躍する社会の実現」を象徴する閣僚として、その活躍が期待されていた。それだけに国民の失望感は深く大きい。残念というほかない。
それにしても、小渕氏の「観劇会」疑惑といい、松島氏の「うちわ」問題といい、あまりにお粗末に過ぎる。法令に抵触・違反するかどうかは別にして、こうした形で支援者にサービスやモノを提供する「古い政治」の構図がいまだ残っていたことに驚く。
疑惑解明へ両氏が引き続き説明責任を果たすことは当然として、この際、首相はじめ全ての政治家も襟を正し、旧態依然の政治体質の根絶に真正面から取り組んでもらいたい。公明党も政権与党として、国民の信頼回復に全魂を傾注する覚悟である。
ただ、不祥事に足をとられ、政治が停滞してしまっては元も子もない。
足下には地方創生や女性の社会進出、エネルギー問題など重要課題が山積している。「政策を前に進める」(安倍首相)、「やるべき仕事の進展に邁進する」(山口那津男公明党代表)。それが失地回復にも繋がる政治の王道であることを確認しておきたい。
その意味で、首相が速やかに2閣僚の後任を決めたことは評価できる。一部マスコミが伝える「早期の幕引き狙い」はうがった見方に過ぎよう。
看過できないのは、今回の件に悪乗りして、それこそ時代錯誤の「だから女性は」の論理で女性閣僚の登用までも批判する声が一部にあることだ。筋違いも甚だしい。
内閣府男女共同参画局長を務めた昭和女子大学の坂東眞理子学長は「政治への女性進出は、社会全体の意識を変えるために重要で、女性の閣僚登用には大きな意味がある」と指摘する(「読売」21日付)。
政府は女性が輝く社会づくりをめざし、「女性活躍推進法案」を国会に提出している。女性閣僚の積極登用はその象徴であり、布石でもある。その選択に誤りはない。
2閣僚辞任に萎縮することなく、政府には日本再生に不可欠な「女性の社会進出」を堂々と進めてもらいたい。