eコラム「北斗七星」

  • 2014.10.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年10月24日(金)付



「私は本の力を信じています。1冊の本が心の支えとなって、自分を絶えず励まし、勇気づけてくれるのです」。高視聴率を記録したNHK連続テレビ小説「花子とアン」の最終回で、スピーチした花子の言葉が今も印象に残る◆ドラマを通じて花子は、本との出会いが「想像の翼」を広げる契機となり、夢を見る力や人を思いやる心が育まれることを訴え続けた。本を手に取りページをめくるときのワクワクした気持ち。いつでも、どこでも自由にめぐることのできる世界。そこに、読書の醍醐味がある◆今年の読書週間(27日~11月9日)の標語は、「めくる めぐる 本の世界」だ。ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさん(17)は、「世界平和への唯一の道は読書と知識を得ること、そして教育だ。たくさんの本を読んで自分に力を付けたい」と◆一方で、現在の日本の読書事情はどうか。16歳以上を対象に行った2013年度の「国語に関する世論調査」(文化庁)によると、読書量が減っている人は65%に。その理由の一つが「情報機器で時間が取られる」とか。小・中学校では読書運動が効果を挙げているが、高校、大学と進むにつれて携帯電話やスマートフォンなどの普及が読書量に影響しているといえる◆灯火親しむ季節を迎えた。1冊に向き合いたい。(紀)

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