e文字・活字文化の日 情報社会を照らす灯台の存在

  • 2014.10.27
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年10月27日(月)付



きょう10月27日は「文字・活字文化の日」である。公明党の推進で、2005年に制定された「文字・活字文化振興法」によって定められた。この日が選ばれたのは、来月9日まで続く「読書週間」の初日だからだ。

読書週間の歴史は、67年前にさかのぼる。終戦間もない1947年、戦火の傷痕が残る中で「読書の力で平和な文化国家を」との願いの下に、新聞社や出版業界が一体で読書推進運動を開始したのが、読書週間誕生のきっかけだ。

その願い通りに新聞や雑誌、本は、戦後復興に励む人々の精神の糧となり、今日の豊かな日本へと至る道筋を示し続けた。

「豊かな人間性の育成」と「健全な民主主義の発達」を掲げる文字・活字文化の日の意義は、インターネットの情報があふれる現代で重要性を増している。ネットは情報が簡単に入手できる半面、真偽不明の知識や正論を装った誹謗中傷が絶えない。匿名性をかさに着た情報で、社会の健全性が、むしばまれているとの批判は絶えない。

こうした中で、文字・活字文化を担う新聞や書籍は、ネットの勢いに押され気味だ。「本を読まない大学生が4割」(全国大学生活協同組合連合会)との調査は、ネット中心の若者文化を浮き彫りにする。若年層と中高年層の対話が成立しにくいという声も聞く。

"情報の大洪水"と形容される現代は、社会共通の価値観を分かりにくくするようだ。しかし、今はあらゆる社会問題の克服をめざし、世代を超えて連携すべき時である。国民にとって必要な解決策を照らし出す灯台となる存在が必要だ。

新聞や雑誌、書籍は、普遍的な知恵や必須の情報を、責任感を持って読者に提供している点を強調したい。個々の情報量はネットに比べれば多くないかもしれないが、記者や作家、編集者らが選び抜いた一つ一つの活字には、不透明な時代を見通すヒントが詰まっているはずである。

情報化社会が進展する中で、文字・活字文化の重要性は一段と高まるであろう。公明党はこれからも、その振興を図るため、環境整備や支援策の充実に努めていく。

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