eサービス業生産性高めよ
- 2014.10.31
- 情勢/経済
公明新聞:2014年10月31日(金)付
デフレ脱却へ「補正」編成を
衆院予算委で伊佐氏
衆院予算委員会は30日、安倍晋三首相が出席して経済・財政などに関する集中審議を行い、公明党から伊佐進一氏が質問に立った。
この中で伊佐氏は、大企業と下請け中小企業といった結び付きが薄れてきた実情を念頭に、大企業が富めば、経済活動が活発になり、下請け中小企業なども潤うという考え方は「必ずしも機能していない部分がある」と指摘。経済政策では大企業や富裕層だけでなく、中小企業や地方に対しても綿密な戦略を実行するよう求めた。
安倍首相は「地域主導の提案を国としてワンストップで支援していくことが大切」として、資金面での支援のほか、地域活性化に向けた知恵や技術を持った人材確保などに努めていく方針を示した。
また、伊佐氏は、大企業製造業に有利な円安局面でも、独自の技術やアイデアを生かし、地域内で単独事業を営む中小企業が受ける恩恵は乏しいと指摘。「実際は円安で燃料、資材が高騰し、経営を圧迫している」として支援を要望した。
さらに、個人消費や生産などに弱い動きが見られる最近の経済状況に触れ、「デフレ脱却を確実にしていく観点から、補正予算を編成すべきではないか」と主張。安倍首相は「全体的に経済成長は続いている」とした上で「補正予算の必要性については、7~9月期の経済指標を見て考えていきたい」と答えた。
今後の経済政策について伊佐氏は、国内総生産(GDP)や雇用の約7割を占めるサービス業の労働生産性(労働者が時間当たりに生み出す付加価値)が低い現状を指摘。「生産性を上げることで賃金も上がるし、人手不足も解消する。サービス業の労働生産性を高めるところに政策的資源を投入すべきだ」と訴えた。
一方、伊佐氏は、賃金引き上げが求められる中、法人事業税(地方税)で企業が支払う賃金などに応じて課税する外形標準課税を中小企業に適用することに懸念を表明。高市早苗総務相は「(与党の取り決めで)地方経済を支える中小企業、創業、起業に配慮することになっている」と答えた。