e女性の活躍推進法案 働き続けられる職場環境に
- 2014.11.04
- 情勢/社会
公明新聞:2014年11月4日(火)付
女性の社会参加を後押しする「女性の活躍推進法案」が衆院で審議入りした。
法案は、政府や自治体、大企業に対し、女性の登用拡大に向けた数値目標を含む行動計画を策定し、公表を義務付ける。数値目標には、女性の採用や管理職登用の比率、勤続年数の男女差などが想定されている。優れた取り組みを行う企業に対しては、政府が認定を行う予定だ。
法案では、政府が必要に応じて企業への助言や指導、勧告もできるようになる。法案の早期成立を図り、実効性のある行動計画が策定されることを望む。
少子高齢化により労働人口が減る中、持続的な経済成長を進めていくには、女性の力を最大限引き出すことが欠かせない。女性社員ならではの視点を生かした商品開発や販売で、成功を収める企業も出てきており、企業経営にとっても利点は多い。
しかし、日本企業の管理職に占める女性の割合は7.5%にとどまり、欧米主要国の30~40%程度と比べて大きな開きがある。
背景の一つには、多くの女性が、育児や介護のため管理職に就く前に辞めざるを得ない事情がある。第1子の出産・育児を機に退職する女性は約6割にも上る。
働き続けたい女性が辞めなくても済む職場の環境づくりが肝心だ。例えば、時間外労働の多い職場では、仕事と家庭との両立は難しい。長時間労働を是正するとともに、働く時間帯を自分で決められるフレックスタイム勤務や在宅勤務など、多様な働き方を選べる仕組みが必要である。
家事や育児の負担が、女性に集中している生活スタイルも変えなければならない。男性の育児休業取得率を高めるため、代替要員の確保をはじめとする職場全体の工夫が求められる。
育児休業からの職場復帰後、仕事面で他の社員に後れを取るケースも珍しくない。職場復帰に向けた研修を含め、女性のキャリア形成支援も強化していくべきだ。
女性が働きやすい職場は優秀な人材が確保でき、企業イメージもアップする。企業は策定した行動計画を着実に実行し、女性が働きやすい職場をつくってほしい。