e認知症対策の総合戦略急げ
- 2014.11.10
- 情勢/社会
公明新聞:2014年11月8日(土)付
地域で安心の生活 後押し
井上幹事長 出生率は環境整備を第一に
公明党の井上義久幹事長は7日午前、国会内で記者会見し、政府が認知症対策の国家戦略となる新たな政策プランの策定を打ち出したことを評価した上で、党としても「認知症になっても、住み慣れた地域で尊厳を持って安心して生きていけるよう、新プランの策定に向けてもしっかり提言していきたい」と表明した。
この中で井上幹事長は、政府が認知症対策の国家戦略策定へ動き出したことについて、「率直に高く評価したい」と歓迎。65歳以上の高齢者の4人に1人が認知症かその予備群とされる現状には、「極めて深刻な問題になっている。団塊の世代が(75歳以上の)後期高齢者になる2025年以降、大きく増えることが予想されており、大きな社会的な問題だ」との認識をあらためて示した。
その上で、「認知症に対する認識を社会全体が共有し、偏見を持たずに、(患者・家族が)尊厳を持って安心して生きていけるようにすることが大きな課題だ」として、国民の理解を深めていくため、教育も含めた取り組みの必要性を力説した。
また、政府が提示した人口減少の抑制に向けた「長期ビジョン」の骨子案で、「合計特殊出生率」(1人の女性が生涯に産む子どもの推定人数)を1.8程度に引き上げる目標を示したことに対しては、「女性に子どもを産むことが責任であるかのような圧力になってはいけない」と指摘。
女性が何人の子どもを産み育てたいかという「希望出生率」が1.8程度とされることに触れた上で、「希望出生率を実現できる環境や、子どもを産み育てられる環境をつくっていくことが目標ではないか」と述べ、「1.8それ自体が目標ではなく、さまざまな施策を積み重ねた結果として、それくらいは実現したいという考え方が基本でなければならない」と強調した。
一方、労働者派遣法改正案の審議をめぐり、7日の衆院厚生労働委員会で民主党など野党側が審議拒否したことには、「法案について審議しコンセンサスをつくるのが国会の仕事であり、初めから審議しないというのは国会の責任を放棄しているのではないか。国会の責務を果たすという意味で粛々と審議を進めるのが基本姿勢だ」と述べた。