eコラム「北斗七星」
- 2014.11.21
- 情勢/社会
公明新聞:2014年11月21日(金)付
「日本の政治では中道左派のゾーンがガラ空きだ」「中道左派がいるべき場所には大きな政治的空白(ブルーオーシャン)が広がっている」。専門分野が全く異なる2人の著者が、それぞれの新刊書で同じような主張をしている◆先の米中間選挙では、中道派の中でもリベラル志向が強い有権者の「オバマ離れ」が民主党敗退をもたらしたと言われる。2年前のフランス大統領選では、サルコジ前大統領率いる右派が極右へ動いたため、中央にスペースが生まれ、社会党のオランド大統領が、そこに進出して勝利したとの分析もある◆政党のイデオロギー対立が鮮明な米国やフランスと違って、日本では大半の政党が中道を志向する傾向があり、各党の違いは分かりにくい。前回衆院選で脚光を浴びた「新第3極」も、みんなの党が解党を決めたことなどから、今回は大きな話題になっていない◆わが国では近年、政党の分裂や解体、合流が相次いでいる。国会議員が生き残るために、所属する政党を変えていくような姿も見られる。「主義主張の一貫性」や「政策を実現する総合力」こそ、国民の共感を得る政党の条件であろう◆デフレ脱却、日本再生を進めていくには、政治の安定こそ不可欠だ。政治を再び混乱させ、その流れを中断させるようなことがあってはならない。(山)