e日本経済は着実に前進
- 2014.11.25
- 情勢/経済
公明新聞:2014年11月24日(月)付
数字で見る自公連立政権の成果
12月2日公示、14日投票の衆院選では、自公連立政権の2年間の経済対策「アベノミクス」が争点になります。民主党政権で失速した景気の回復、デフレ(持続的な物価下落)脱却に向け、自公連立政権が経済対策を強力に推し進めた結果、その兆しは着実に現れています。その成果を数値やグラフを通して紹介します。
市場、企業 業績上向き、景況感も好転
株価 1万7000円台を回復
倒産 23年ぶりの低水準に
2012年12月に発足した自公連立政権は、(1)大胆な金融政策(2)機動的な財政政策(3)民間投資を引き出す成長戦略―を柱とする「3本の矢」の経済対策に取り組んだ結果、経済の上向きを示す兆しが数字に現れています。
例えば、日経平均株価は民主党政権末期には8661円にまで下落しましたが、自公連立政権の金融緩和が功を奏し、ほぼ7年ぶりに1万7000円台を回復するまでになっています。民主党政権が放置し続けた超円高も是正。輸出関連企業の業績が上向き、9月の中間決算では過去最高益を更新する企業が相次ぎました。
日銀の9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によれば、景況感を示す代表的な指標である「大企業・製造業」の業況判断指数(DI)はプラス13ポイントとなりました。DIは景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた値です。民主党政権末期のDI(12年12月)がマイナス12ポイントだったことと比べ、大幅な改善です。
民間調査会社の統計でも今年上半期(1~6月)の企業倒産件数は減少し、23年ぶりの低水準です。
長く日本経済を苦しめてきたデフレからの脱却への道筋も開けてきました。
9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年同月比3.0%上昇。1年4カ月連続でプラスとなっています。
雇用 女性、若者の活躍広がる
就業者 約100万人の増加
求人倍率 1.10倍でバブル後最高
景気の緩やかな回復を背景に雇用情勢も大きく改善しつつあります。
就業者数は6271万人(2012年9月)から6366万人(今年9月)となり、自公連立政権の発足以来、雇用は100万人近く増えています。有効求人倍率も0.81倍(12年9月)から、1.09倍(今年9月)にまで上昇しています。今年6月には1.10倍に達し、バブル崩壊後の最高値を更新しました。
来年3月に高校を卒業予定の高校生の求人倍率は1.28倍となり、6年ぶりに1倍を超えました。
4.1%(12年11月)だった完全失業率は大きく低下、3.6%にまで改善しました。
自公連立政権は、女性や若者が活躍できる環境づくりにも積極的に取り組んでいます。
仕事と育児・介護の両立支援や女性の積極登用を促したことで、自公連立政権発足から1年間で女性の就業者数は53万人増えました。
派遣やフリーターなど非正規雇用で働く若者の正社員化も加速しています。
例えば、総務省の労働力調査によれば、転職や社内登用により非正規から正社員として働き始めた人の数は今年4~6月期で99万人となり、高水準を記録。このうち約65%が15~34歳の若者です。
所得 政労使会議で賃上げ要請
賃金 大企業の9割超が引上げ
ボーナス 2年連続で5%超す伸び
賃上げによって労働者の収入が増えれば消費が拡大して商品が売れる。企業の業績が伸び、再び賃上げができる環境が整う。デフレ脱却のためには、こうした「経済の好循環」の実現が欠かせません。
自公連立政権は、昨年9月から政府首脳と経済界、労働界の代表で構成する「政労使会議」で協議し、経済界に賃上げを要請。
その結果、今年の春闘では、賃金引き上げ率が2.2%となり、過去10年間の同時期比で最高の水準を達成。経済産業省の調査でも、今年度に正社員の平均賃金を引き上げると回答した大企業は9割を超え、中小企業も65%が賃上げを実施しました。
今月19日に開催された政労使会議でも、政府は経済界に賃上げを重ねて要請し、来春の賃上げにも期待が寄せられています。
ボーナス(賞与・一時金)も増加傾向にあります。
13日の経団連の発表によれば、大手企業の冬のボーナスの妥結状況(第1回集計)は、76社の組合員平均で前年比5.78%増の89万3538円となりました。2年連続で5%超の伸びを示したのは、24年ぶりです。妥結額もリーマン・ショック前の2007年(90万1031円)に迫る水準に達しています。
訪日観光 大きい消費の波及効果
旅行客 1100万人(1~10月)を突破
円高の是正に加え、自公政権によるビザの発給要件の緩和などの訪日観光促進の取り組みが後押しとなり、外国人旅行者が増えています。
日本政府観光局の推計によれば、2014年10月の訪日外国人客は127万2000人となり、前年同月比で37%も増えました。今年1~10月までの外国人旅行客数も約1101万人に上り、過去最高となりました。最終的には年間1300万人程度になると見込まれています。
外国人旅行者の増加は大きな経済効果を生みます。
今年7~9月期の訪日外国人の旅行消費額は5505億円に上り、前年同期比で41.2%増加。1四半期で5000億円を超えたのは10年4月の調査開始以来、初めてです。宿泊、飲食、買い物など訪日外国人が国内で消費する金額から、日本人が海外で支払う金額を差し引いた「旅行収支」も今年4月に、約44年ぶりに黒字に転じました。
観光立国としての成果が着実にみえてきました。
衆院選 公明党の勝利で中小企業・地方に実感を
自公連立政権の経済対策が功を奏し、景気の回復軌道は続いていますが、中小企業や地域経済に、その効果を広く波及させることが日本経済の再生には不可欠です。
消費税率10%引き上げの延期は、そのためであり、アベノミクスを総仕上げするのが狙いです。アベノミクスの失敗では決してありません。
来月行われる衆院選は、政権を選択する選挙です。
アベノミクスに反対する民主党など野党は批判を強めています。しかし、民主党政権こそ"経済無策の3年"で超円高やデフレの状態を放置し続け、日本を深刻な不況に陥れたことを忘れてはいけません。
景気回復・デフレ脱却のために自民、公明の両党に政権を任せて経済政策を継続させるか、対案となる経済政策を示すことができない野党に経済運営を委ねるか、が問われています。