eサンゴ密漁の罰則強化

  • 2014.11.27
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年11月27日(木)付



日本領海や排他的経済水域での違法操業に最高3千万円
公明の連携プレーで実現



東京・小笠原諸島沖などで頻発する中国漁船のサンゴ密漁問題を受け、違法操業する外国船への罰則を大幅に引き上げる議員立法が先の臨時国会で成立した。新たな罰則は12月7日から適用される。地元の声をいち早くキャッチした公明党が、地方、国会議員の連携プレーで実現した成果だ。

「漁業に深刻な影響が出ており、住民の不安の声も高まっている」―。小笠原母島漁業協同組合で組合長を務める佐々木幸美・村議会議長(公明党)は、こう窮状を訴えた。10月26日、都議会公明党の小笠原視察団が母島沖合に出て、中国漁船による密漁の現状を調査した時のことだ。

現場の声を重く受け止めた同視察団は直ちに、山口那津男代表らに密漁の実態を報告。これを受け公明党は11月4日、珊瑚密漁問題プロジェクトチーム(PT)を新設し、7日の初会合で森下一男村長や佐々木議長らを招いて、密漁が小笠原の漁業や観光業だけでなく、生態系にも悪影響を与えている状況を聴取した。

党PTは同日、森下村長らと共に太田あきひろ国土交通相(公明党)に対し、外国密漁船への取り締まり体制の強化を要請。密漁の罰則を引き上げる法改正の内容を検討し、与野党間の合意形成にも努力した。その結果、臨時国会の閉幕が迫る19日に関連法が成立。現地調査から24日後のスピード実現となった。

成立したのは、外国人漁業規制法と漁業主権法の両改正法。日本の領海や排他的経済水域(EEZ)での外国漁船の違法操業に関する罰金を最高3000万円に引き上げた。違法操業の疑いがある外国船が立ち入り検査を拒否した場合の罰則も新たに設け、最高300万円の罰金とした。

両改正法の成立に合わせ農林水産省水産庁は、EEZ内で逮捕された船長らが釈放の条件として支払う担保金(保釈金)の基準額を違法操業で最高3000万円、立ち入り検査拒否で最高300万円に増額した。密漁したサンゴが船内で見つかった場合は、1キロ当たり600万円を加算すると決めた。いずれも現行の金額は公開されていないが、水産庁によると、数倍に引き上げられたという。



素早い対応に感謝

東京・小笠原村 森下一男 村長


公明党の素早い対応に大変感謝をしている。密漁問題を受け、すぐに法改正がされたことで、「日本が外国人による密漁への対応を変えた」というメッセージにもなっただろう。密漁に対する一定の抑止効果になると期待している。

また、太田国交相らに要望をした結果、海上保安庁の取り締まり体制が強化された。東京都が調整役になった、小笠原村と関係省庁との連絡会議もできた。

小笠原では、12月から来年5月くらいまで観光業の柱であるホエールウオッチングのシーズンを迎えるので、法整備などが間に合って良かった。これで密漁船が小笠原沖からいなくなってくれれば、だいぶ村民らの心配はぬぐい去られると思う。

山口代表をはじめ公明党の議員は、小笠原の村民に寄り添い、苦労を理解してくれている。今後も公明党に期待をしている。

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