e公明党の衆院選重点政策
- 2014.12.01
- 情勢/社会
公明新聞:2014年11月29日(土)付
軽減税率、10%と同時導入
家計支援を強化し消費拡大
石井政調会長に聞く
公明党は27日、衆院選重点政策【党ホームページに全文掲載】を発表した。そのポイントについて石井啓一政務調査会長に聞いた。
―重点政策でめざすものは。
石井 自公政権が発足して2年、デフレ(物価下落が続く状態)で低迷していた日本経済は回復に転じ、経済指標は改善しています。ただ、ここにきて個人消費を中心に回復が遅れ、先行きに不安が広がりつつあります。
こうした中、安倍晋三首相は、来年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを1年半延期し、2017年4月から実施すると表明しました。再引き上げまでの間、景気の腰折れを防ぎ、企業収益の増大が賃金アップと個人消費の伸びをもたらす「経済の好循環」を確かなものにしていきます。
また、人口減少社会でも将来にわたって「活気ある温かな地域」を維持するため、「ひと」を基軸にした地方創生を進めていくことも重点政策の狙いです。
―重点政策の構成は。
石井 (1)地方創生で、力強く伸びる日本経済へ(2)一人を大切にする社会へ、社会保障と教育の充実を(3)東日本大震災からの復興と防災・減災対策(4)政治改革・行財政改革の断行(5)安定した平和と繁栄の対外関係―の5本柱からなります。加えて、当面の重要政治課題である財政健全化や原発、安保法制などに対する党の考えを示しました。
―公明党は消費税の軽減税率導入を強く訴えています。
石井 当然、重点政策にも盛り込んでいます。具体的には、17年4月からの消費税率10%への引き上げと同時に食料品などへの軽減税率導入をめざします。28日に与党が取りまとめた重点政策では、17年度からの導入をめざして、対象品目や区分経理、安定財源などについて早急に検討を進めるとしています。
―衆院選では各党の経済政策が問われます。
石井 公明党の重点政策では、経済の好循環を実現し、その恩恵を中小企業や地方、家計に届けることに力点を置きました。
自公政権の経済政策(アベノミクス)によって、賃金は着実に上昇してきましたが、物価上昇に追い付いていないという指摘もあります。政労使会議などを活用し、賃金引き上げの潮流を継続させ、賃金上昇率が物価上昇率を超えていく状況をつくり出していきます。
―民主党など野党は「アベノミクスは失敗した」と批判していますが。
石井 まったくの的外れです。有効求人倍率(求職者1人当たりの求人数を示す指標)が1倍を超えるなどアベノミクスが成果を挙げてきたことは明らかです。アベノミクスを批判するばかりで、それに匹敵する対案を示さない野党の姿勢は無責任と言わざるを得ません。
また、消費税率引き上げ凍結を主張する政党がありますが、高齢化が進む中、社会保障制度を維持できるか疑問です。財源は大企業の税負担を増やして確保すると言いますが、企業が税負担の軽い海外に移転していく"空洞化"が進みかねません。
―重点政策の実現に向けた決意を。
石井 景気を本格的な回復軌道に乗せ、社会保障制度を維持・拡充していくには、引き続き、自公両党が政権を担うしかありません。今回の衆院選では、この点を強く訴え、国民の皆さまから信任を得られた暁には、重点政策の実現に全力を尽くし、暮らしを守り抜く決意です。