eエボラ熱の感染阻止 自衛隊の輸送協力で人道支援を

  • 2014.12.01
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年12月1日(月)付



自衛隊が国際緊急援助活動として、エボラ出血熱の感染阻止に必要な防護服など個人防護具2万セットをガーナに空輸する。

西アフリカでエボラ出血熱と闘っている国連エボラ緊急対応ミッション(UNMEER)の要請に迅速に対応するため、政府が先週末に自衛隊機派遣を決定した。6日出発、8日に現地到着をめざして準備を進めている。

国際緊急援助活動は、大規模な自然災害に襲われた国、地域の復旧支援などを目的とする国際協力である。1992年の国際緊急援助隊派遣法の改正によって自衛隊部隊の派遣も可能になった。

自衛隊はこれまで、海外の津波や地震災害の救援で多くの実績を上げてきた。エボラ出血熱の対応で自衛隊が派遣されるのは初めてであり、日本の存在感を示してほしい。

自衛隊は今回、輸送機としても使用できる空中給油機KC767を派遣する。海外協力では、高速・長距離輸送に不向きなプロペラ推進のC130が主に派遣されてきたが、KC767の原型はジェット旅客機であり、一刻を争う緊急輸送には適している。

最前線で医療活動を続ける民間医療団体「国境なき医師団」は、エボラ出血熱の致死率は20%程度から最大90%に達し、特効薬がないという事実が人々の恐怖心をかきたて、治療・予防対策を困難にしていると世界に発信した。

感染が深刻なギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国は、紛争後の「平和の定着・国造り」をめざす平和構築の途上であり、医療分野に十分な予算を振り向ける余裕がない。国際社会の支援は不可欠である。

そのため国連は、9月に安全保障理事会でエボラ出血熱を「国際の平和と安全に対する脅威」と認定する決議を採択、即座にUNMEERを設立した。国連初の保健に関する緊急派遣団である。

日本は総額1億4500万ドルの支援を決め具体化を進めている。個人防護具については約70万セットを供与する。

公明党は感染症対策を重視し、マニフェストで開発途上国の「保健システム強化」への支援を掲げた。日本が主導して健康を守るためのインフラ整備支援を実現させたい。

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