e軽減税率は必要 農家も消費者も実現を望む
- 2014.12.04
- 情勢/経済
公明新聞:2014年12月4日(木)付
JA全中(全国農業協同組合中央会)常務理事
大西 茂志氏
食料品は、人が生きていく上で欠かせないもので、所得を問わず消費するという意味で"いのち"に関わる商品とも言えます。JAグループは食料品を中心に軽減税率の導入を求めていますが、その実現を国民の大多数が望んでおり、増税による痛税感を緩和することにもつながります。
また、農家の立場から言えば、農産物は消費税を転嫁しにくいという特性があります。多くの農産物は卸売市場で取引されており、量販店の価格支配力が強いなど、農家が交渉で直接、値段を付けることが困難な商品です。しかも、天候の影響によって収穫量が大きく左右され、時々の市場価格も変わってしまいます。
消費税率が2桁の10%に引き上がれば、加工や販売を含む生産者と、消費者の双方にとって大きな影響があると想定されます。資材の高騰などで農産物の生産コストが上がっている現状に追い打ちがかかりかねません。こうした問題を解消するために、軽減税率の導入が必要です。
公明党は、これまで一貫して軽減税率導入を主張されています。直近でも、韓国の実態調査に行かれるなど、精力的に取り組まれ、与党で先日、2017年度からの軽減税率の導入をめざすことで合意したと聞いております。農産物の価格転嫁しにくい特性を踏まえると、消費税率10%時に導入することが適切なタイミングだと感じます。
また、制度設計に際しては、消費者や事業者にとって分かりやすく、事務負担の少ない簡素な仕組みを期待します。