e回復した選挙権で初の衆院選
- 2014.12.08
- 情勢/社会
公明新聞:2014年12月6日(土)付
公明が法改正をリード
知的障がいや認知症など被後見人の政治参加後押し
今回の衆院選は、認知症高齢者や知的障がい者ら「成年被後見人」が、回復した選挙権を行使する初の総選挙となった。すでに始まっている期日前投票制度も利用できる。最高裁によれば、対象者は全国で約14万3000人に上っている(昨年末現在)。
公職選挙法の第11条で成年後見人が付いた成年被後見人は、選挙権を喪失すると定められていたが、2013年5月に成立した改正公選法では、同規定を削除。選挙権の付与が実現し、同年7月の参院選から適用されている。
改正のきっかけは13年3月14日の東京地裁の判決。選挙権が喪失すると定めた公選法の規定を違憲とした。公明党は、この判決直後からいち早く被後見人の選挙権回復に取り組んだ。違憲判決を勝ち取った被後見人の原告女性らの要望を受け、政府に控訴断念を訴えるとともに、「違憲状態を解消すべきだ」との断固たる姿勢で公選法改正を一貫してリード。最終的に全政党が共同提出者となり、5月27日、改正法が成立した。違憲判決からわずか2カ月余りのスピード決着だった。
改正公選法では不正投票防止策として、文字を書けない被後見人などの代理投票を行う補助者の要件も新たに設けた。市区町村職員など「投票所の事務に従事する者」と定めている。
各自治体で投票しやすい環境づくりも行われている。東京都選挙管理委員会では、投票所を訪れた被後見人らがイラストを使って職員と対話できる「コミュニケーションボード」を作成。都内の全市区町村選管に配布している。