e認知症対策 日本の対策に世界から評価

  • 2014.12.08
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年12月8日(月)付



認知症は、今や国民の重大関心事の一つだ。介護サービスを利用していない人も含めた認知症高齢者と、認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)の高齢者を合わせた数は推計で862万人。「高齢者の4人に1人は認知症か、その"予備軍"」ともいわれ、早急に手を打たなければならない。

公明党は、消費税率の引き上げ延期で財源確保が難しい状況でも、優先的に実施すべき社会保障充実策の一つとして、認知症対策を進めていくと衆院選で訴えている。

具体的には、医師や看護師らが家庭を訪問して認知症初期の段階から症状を把握し、認知症患者本人と家族の支援に取り組む「認知症初期集中支援チーム」の拡大を推進する。同支援チームは、10月現在で41市町村に設置されている。来年度から一段と拡大し、2018年度には全市町村での設置をめざす。

また、地域の医療機関、介護サービス関係機関、生活支援などを行う諸団体の連携を促し、認知症患者と家族を支援する「認知症地域支援推進員」の役割も重要だ。同推進員の増員も進めていく。

認知症についての基礎知識と正しい理解を身に付け、認知症患者と家族をサポートする市民ボランティア「認知症サポーター」は、全国で544万人に上る。公明党が養成を後押ししてきたこともあって、現行の養成目標である600万人達成は目前に迫った。目標を引き上げ、今後も養成を推進していきたい。

これらの取り組みは、先月都内で開かれた認知症に関する主要7カ国が中心の国際会議で、認知症高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けていくための助けとなるとして高く評価された。認知症は高齢化が進む先進各国の共通課題であり、日本の対策の成果に各国が大いに注目している。

公明党が、従来から求めてきた認知症対策の国家戦略化の方針も示された。対策の拡充を着実に進めていきたい。

野党は、この衆院選で認知症対策について具体的な言及がほとんどないばかりか、社会保障分野全体についての発言も踏み込み不足が目立つ。

これでは、世界に類例のない超高齢社会のかじ取りを任せるわけにはいかない。

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