e日中対話が活発化 自公連立政権で外交も前進

  • 2014.12.10
  • 情勢/国際

公明新聞:2014年12月10日(水)付



先月の日中首脳会談を受けて、両国間の対話が活発化している。


今月2日にはメコン川流域の5カ国(タイ、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、ラオス)の国を超えたインフラ(社会資本)整備の支援について議論する「日中メコン政策対話」が行われたほか、3日には、日中の有識者が活発に意見交換し提言を行う「新日中友好21世紀委員会」が3年ぶりに開催された。また、近く、省エネや大気汚染対策などの技術協力について話し合う「日中省エネルギー・環境総合フォーラム」が2年ぶりに再開される予定である。


停滞していた両国のさまざまな分野での対話が動き始めたことを歓迎したい。


自公連立政権が、こうした日中外交を前進させたことは間違いない。安倍首相は、今月1日に開かれた与野党党首討論会で「習近平主席との首脳会談に向けて、山口代表、公明党にもお手伝いを頂いた」と謝意を表明。山口代表も「中国や韓国との関係については、これまで連立与党が対話と交流によって継続的な友好関係を築いてきた。当初、政治対話が途絶えていた中国とも、安倍首相の親書を預かった私が中国に赴き、対話を開始した」などと述べた。


もちろん、こうした対話から一直線に関係改善に進むわけではない。尖閣諸島周辺での中国公船の動きは続いており、日本への攻勢が止むことはないだろう。


ただ、それだけを見て、中国への不信感を前面に出していては、両国関係の前進は不可能である。


両国はアジアの「大国」であり、互いの国内に多様な見解や主張を抱えている。両国とも不信や警戒の声が主流になれば、緊張は増すばかりだ。相手の国内にある友好や平和を求める声に耳を傾け、信頼の絆を太くしていく努力が共に必要だ。


わが国が「アジアへの回帰」を明確にする米国との結束を基盤に、中国と安定的な関係を保つことは、アジア太平洋地域の平和と安定に寄与する。抗日戦勝70周年とされる来年に向け、中国ではナショナリズムの高揚が予想されるが、戦略的互恵関係の強化をめざして、関係改善の動きをさらに進めていきたい。

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